野焼きの通報はどこに?警察に通報しても動いてくれないのか

私が田舎の交番に勤務していた時、よく野焼きの通報がありました。
その内容は、
・野焼きの匂いが迷惑
・火事が起きている
と言ったものです。
そこで今回は、自身の経験を元に「野焼きの通報はどこにすればいいのか」「警察は動いてくれないのか」の2点について解説していきます。
前提として、野焼きは法律違反・条例違反に当たる
まず、大前提としてゴミを庭等で焼却処分する事は、法律違反です。
廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反)という法律によって、禁止されています。
これに違反すると、5年以下の懲役又は1000万円以下の罰金を課せられます。
5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はこの併科
第十六条の二 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの
群馬県庁から引用
通報の判断基準
状況によって消防に通報すべきか、警察に通報すべきか変わってきますので、解説します。
延焼する恐れが認められる場合

この場合は、まずは消防へ通報してください。
警察に通報したところで、結局警察から消防へ通報する事になります。
実際、野焼きが原因で火災に発展した事例が数多くあります。
ですので、明らかに危険な状態が認められる場合は、まずは119に通報してください。
それで消防が到着した時に、延焼が認められなければ消火活動しないだけですので。
明らかに延焼する可能性が無い場合

明らかに延焼の可能性が無い場合、警察に通報してください。
警察が野焼きの状況を確認します。
そこで、プラスチック等の有害物質を発する廃棄物を燃やしていた場合は事件化となり、枯れ草を燃やしている場合なら厳重注意をします。
基本的に、枯れ草を一時的に燃やしている場合は速攻事件化することは少ないです。
しかし、何度も警察から注意をしているのに一向に改善が認められない場合は、処罰の対象となります。
ちなみに、枯れ草を燃やす場合に、消火設備を設けていない事が原因で延焼してしまった場合、軽犯罪法違反(火気乱用)の罪に問われます。
実際、私もこの罪で何人も検挙しました。
ですので、警察は通報があれば動くというのが結論です。
農家の野焼き

農家の野焼きは、業務の為やむを得ない場合は焼却処分が許されています。
しかし、人に迷惑を掛けない方法でやる事が条件づけられています。
ですので、農家であろうと洗濯物に匂いが付くとか迷惑を被っているのなら、全然警察に通報していただいて大丈夫です。
というのも、直接注意すると要らぬ争いが生じる可能性があるからです。
また、近所付き合いも悪くなるでしょうから警察を利用しましょう。
農家の中には何を燃やしても大丈夫だと勘違いしている人もいますが、それは間違いです。
農家であろうとプラスチック製品を燃やしたり、消火設備を設けず焼却処分していたら処罰されます。
野焼きの言い訳

私は数多くの野焼き事案に臨場しました。
そのほとんどは、苦情が入っている旨伝えると改善してくれます。
しかし、中にはめちゃくちゃ頑固な高齢者もいます。
その人たちは、
・昔からやっている
・他もやっているんだから良いだろ
・こんな事で通報する方がおかしい
と色々言い訳を並べてきます。
恐らく、こうやって言い訳してくる人は、スピード違反で捕まえられた時に、「他の車も出してたじゃないか」と言うタイプだと思います。
何が言いたいかと言うと、超自己中なのです。
私自身、このような人を対応する時は本当に腹が立ちますし、もっと柔軟な考え方ができないのかと不思議になります。
結局、この人たちは野焼き辞めないので、辞めるまで通報したらいいです。
まとめ
今回は、「野焼きの通報基準・警察は動くのか」という点について解説しました。
基本的に野焼きはアウトですし、農家であっても常識を考えず人の迷惑になるような焼却処分をしていたら罰せられます。
また、野焼きが原因で火災に発展する事例は数多くあります。
ですので、少しでも危険だと思ったら消防に通報しましょう。
ただ、小規模な野焼きをする頑固な方は、通報があっても中々辞めない人が多いです。
その場合は、しつこく通報しましょう。
実際、他人の事を考えずに迷惑を掛けているのに知らんぷりする人は人として最低だと私は思います。


