警察官が鬱病になりやすい理由|元警察官が現場経験から解説

警察官は、うつ病になりやすい職業です。

単刀直入に言いますが、これは現場にいた人間なら
多くが感じている現実だと思います。

私は警察官時代に精神疾患を患った経験はありません。
しかし、同じ署内の同期生や幹部職員が、
うつ病を発症し、休職や依願退職に至る姿を何度も見てきました。

もちろん、すべての原因が警察組織にあるとは言いません。
人それぞれ、打たれ強さや環境への順応性は違います。

それでも、約7年間警察官として勤務した経験から言えるのは、
警察官という仕事は、精神的負担が非常に大きい職業だということです。

今回は、これから警察官を目指す方に向けて、
警察官がうつ病になりやすいと感じた理由を、
あくまで現場経験者の視点からお話しします。

目次

警察が鬱病になりやすい職業である理由

前提として、日本全国に警察官は約26万人います。

ですので、他の一般企業と比べて鬱病発生数が多くなるのは仕方の無い事です。

加えて発症の要因が必ずしも職場におけるものでは無く、家庭であったり借金による可能性もあります。

また、「警察官は鬱病になりやすい」と言っても統計データを持っている訳でもありません。

あくまで警察官として7年間勤務していた私が主観的に感じた内容をお伝えします。

その上で私が警察官として勤務する中で鬱病になりやすい要因であると感じたものについて、現在警察官を志している方に向けてお話しします。

警察組織には、パワハラ気質の幹部が一定数存在する

これは警察に限らず、従業員数の多い企業だと一定数パワハラ気質を持った幹部が存在します。

実際某大手自動車製造メーカーに勤務する私の同級生も、警察で言う係長クラスの上司からパワハラを受けて精神的に病んでしまった話も聞きました。

ただ一般企業と警察の違う点は、警察に関しては社会の模範となる存在を求められている事です。

昨今の警察関連ニュースを見ても、目に付くのは不祥事ばかりです。

この時点で警察組織がクリーンな世界では無い事が明白だと思います。

そして、パワハラ気質な人間がいる環境で仕事をするのってめちゃくちゃキツイです。

私も実際刑事課時代の係長がかなり昭和気質のジジイで、目の前で捜査報告書を破られた経験もありました。

運が良い事に私は鋼のメンタルを持っていたので潰れる事はありませんでしたが、メンタルが弱い人だと簡単に潰れてしまうんだと思います。

警察官の忙しさは「限界を超える前提」で設計されている

拝命された都道府県警、配属先、勤務する課によって忙しさはめちゃくちゃ変動します。

その上で、例えば警視庁の捜査一課や田舎の警察署の内勤で勤務するとめちゃくちゃ忙しいです。

警視庁の捜査一課に関しては言わなくても分かる通り、取り扱う事案数が桁違いです。

その分他の都道府県警よりも捜査員数が多いので負担は分散されていますが、それでも大変です。

反対に田舎の内勤なら楽だろ。と思われるかもしれませんが、そんな事ありません。

田舎で事案数が少ない警察署だと警察官数が減らされます。

つまり、少ない人員で舞い込んできた事案を全て処理しなければならないんです。

これはこれでマジ大変です。

で、これらのような忙しい部署で勤務すると毎日終電コース、休日出勤は当たり前です。

私が警察官を退職するラスト1年間は薬物犯罪に関する捜査を担当する刑事課に配属していました。

それまでは交番や機動隊だったんですけど、忙しさのレベルが違いました。

常に事件処理していましたし、宿直勤務はほぼ毎当直仮眠削ってました。

まぁ、文面だけで警察の多忙さを伝えるのは限界がありますが、とにかくプライベートの時間は削られます。

警察官になりたいのなら、その点を覚悟しておいた方が良いと私は思います。

遺体を扱う経験が、確実に心を削る

警察官になると必ず遺体を見る事になります。

私は警察学校卒業して配属された交番の一発目の当直勤務で遺体を見ました。

「検視」と言って、例えば独居高齢者が孤独死している通報があると、死に際を見た人間がいない訳ですから、可能性として殺人被害に遭った事が想定されます。

ですので基本的に孤独死したら警察官が外傷や直腸温度等を確認する事によって事件性の有無を判断します。

私の初遺体こそ、その検視でした。

それまでの人生で遺体なんて親族の葬儀位でしか見た事なかったですので、初めて生々しい遺体を見た時は正直唖然としました。

比較的グロ耐性があった私でしたが、腐敗した遺体の見た目や異臭に慣れるには時間が掛かりました。

中には現場で吐いてしまう新人警察官もいます。

とは言っても、事件性の無い遺体に関しては何度か経験すれば不思議と慣れるものです。

問題は、事件性のある遺体を目にした時です。

例えば飲酒死亡事故。

私は警察人生で2回死亡事故現場に携わりましたが、中でも記憶に残っているのが横断歩道を横断中の女子高生が軽自動車に轢かれて死亡した現場です。

制服が真っ赤に染まり、完全に轢かれていましたので顔も原型を留めていませんでした。

この姿を見ると、
「なんで罪のない人間が突然死ななければならないんだよ。」
と、本当に悲しい気持ちになりましたし、被疑者をぶっ◯そうと正直思いました。

当時の状況は今でも鮮明に覚えていますし、数日間はかなり引きずりました。

このように遺体を取り扱う事案ではかなり精神的ストレスが大きく、中にはPTSDを発症してしまう警察官もいます。

仕事が家庭を壊す構造になっている

先程申し上げた通り、配属される部署によってはプライベートを犠牲にせざるを得ません。

私の場合は彼女いましたけど独身でしたので、どれだけ仕事に時間を割かれても問題ありませんでした。

むしろ、他の同期生との差がついてスキルアップに繋がると思っていた程の脳筋でした。笑

しかし大抵の場合30超えると警察モテますから家庭が出来ます。

警察官好きの女性結構多いですしね。

でもいざ結婚してみるとあまりの忙しさで家庭を優先してくれない寂しさや苛立ちが募り、家庭不和になるケースがあります。

だからこそこの記事でも紹介している通り、「警察官と結婚したい」と言っている女性は一定の理解が必要なんです。

で、家庭不和になると仕事にも影響が出ますし、家庭でも仕事でもストレスが溜まり続けるとそれこそ鬱病まっしぐらです。

ですので、警察官として結婚するのであれば、相当仕事に理解のある女性を選ぶ事が重要です。

慢性的な睡眠不足が当たり前になる

警察官として働く上で切っても切れないのが、睡眠不足です。

当然交番勤務は24時間労働ですし仮眠時間も事案が入れば潰れます。

ちなみに私は交番勤務時代にフルで仮眠できた事なんて片手で数えられる位しかありません。

交番でこれなのに、内勤に入ればどれだけ大変か想像は容易いですよね。

暇な警察署なら8時半から5時半の定時で基本的に帰れるんでしょうけど、私の場合定時で帰れる事なんて一度もありませんでした。

そもそもタスクが空になる事が無かったので、常に仕事は溜まっています。

それでも送致期限までに絶対捜査を終了しなければならい事件を優先して終わらせ、それが終了したら次の捜査に注力します。

ぶっちゃけどの警察署の刑事さんもこんな感じだと思います。

加えて内勤も交番勤務と同じように宿直勤務があります。

この宿直勤務も大変で、110番通報が入っていない時間に溜まっている捜査資料を作成し、若手である私は事件性のある110番通報が入れば速攻現場臨場です。

加えてかなり繁華街の警察署で勤務していたので、日付が変わっても110番通報は入りっぱなしでした。

こんな生活続けていたので運動もしていないのに体重は激減しましたし、タバコの本数も増えて体力は次第に落ちていきました。

私はまだ若かったので睡眠時間が不足していても平気で休日遊びまくったり、何なら翌日勤務があっても夜クラブで飲みまくったりできましたが、ある程度年重ねるとキツイと思います。

定年間際の交番勤務おじさんは毎当直勤務終了してチャカを本署で納める時死にそうな顔していました。笑

心と体は一致しているので、こんな疲弊する勤務を長年続けていたらそりゃ鬱病にもなります。

まとめ

今回お話しした内容は、統計データに基づくものではありません。
あくまで、警察官として約7年間勤務した私自身の体感です。

ただ、警察官という仕事が、
精神的に追い込まれやすい構造を持っているのは事実だと思います。

環境に恵まれれば、やりがいのある仕事です。
一方で、人や部署に恵まれなければ、
心を壊すまで追い込まれる可能性もある。

それを「根性が足りない」「甘えだ」と片付けてしまうのは、
あまりにも乱暴です。

警察官という仕事を選ぶなら、
こうした現実を知った上で選んでほしい。

そしてもし今、
「自分はもう限界かもしれない」と感じているなら、
一度立ち止まって考えてもいい。

その選択を、
死ぬ時に後悔しないと言い切れるか。

それが、私が一番伝えたかったことです。

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この記事を書いた人

元警察官。警察組織の内情や、
理不尽な労働環境で消耗しないための考え方を発信しています。

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