川崎警察署の警察官が居眠りをしてしまったのは仕方ない?。元警察官が実体験を元に解説します。

今月24日、官側県警川崎警察署において、覚醒剤所持で逮捕された被疑者が取調室から脱走する事件が発生しました。

しかもその原因はなんと監視していた警察官の居眠り。

恐らく今頃国民からバッシングの嵐です。

ですが、一応7年間警察官として働いていた身として共感できる部分はあります。

何故かというと、現状殆どの警察官が過労であり寝不足だからです。
そこで今回の記事では、
✔︎なぜ川崎警察署の警察官は居眠りをしてしまったのか
✔︎私が当直勤務を廃止した方が良いと思う理由
について解説します。

目次

警察官が居眠りをしてしまった理由

そもそもですが、取調室は普段施錠しません

何故かというと、被疑者が取調室内にいる場合は必ず警察官一人が監視するからです。

ですがその警察官が居眠りしてしまった事によって脱走可能な状況が生まれてしまったんです。

そこで生じる疑問が、

何で被疑者が目の前にいるのに居眠りなんかしたの?


だと思います。

これについては何個か理由が考えられるので、その理由についてご紹介します。

不眠不休で捜査に従事

今回の報道を見る限り、被疑者は午前5時頃に自首したとあります。

という事は、昨日の午前8時30分から勤務をしていた交番のお巡りさんなり警察署にいた宿直員が対応した事になります。

つまりこの時点で勤務開始から21時間近く経過している訳です。

一応交番でも宿直でも仮眠時間はあるんですが、川崎警察署管内は事案数も多いので十分に仮眠を取る事が出来ないまま自首事件を受理していた可能性があります。

そうであった場合、言うまでも無く勤務員は過労による寝不足状態です。

ぶっちゃけそんなの日常茶飯事ですが

加えて自首事件って最初に巡査部長以上が自首調書というものを受理した後、事実確認の為尿検査や所持品検査、その他にも様々な捜査手順を踏む必要があります。

結果、疲労困憊の中ダメだと分かっていても気絶してしまった可能性が一番高いと私は思います。

責任感の無い警察官

正直、全ての警察官が真摯に職務執行しているとは限りません。

実際私が警察官として勤務していた時代でも、ただただ安定した給料を貰うために嫌々仕事をしている同僚や上司が沢山いました。

そういう奴らは自分の仕事に全く責任を持ちません

結果としてそれがミスを起こす原因であり、一度ミスを起こせば組織全体の失態になります。

もしかしたら、今回被疑者の監視を担当していたお巡りさんも、

別に寝ていたって脱走する事は無いだろう

と高を括った結果、今回の脱走事件に発展してしまった可能性も考えられます。

当直勤務開始前に十分な睡眠時間を取っていない

これは若手警察官あるあるです。

若い警察官は非番も休日もクソ遊びます

過去の私がそうでした。

次の日が当直であろうが、関係無く日付が変わるまで遊ぶ事も普通にあります。

いくら若くても、そんな状態で24時間勤務したら睡魔が襲ってくるに決まっています

今回のニュースを見る限り、監視を担当していたのは20代の巡査長との事。

という事は、もしかしたら勤務前に十分な睡眠時間を確保する事なく勤務開始していたのかもしれません。

そもそも当直勤務自体無くした方が良いと思う。

ここまで、川崎警察署員が居眠りをしてしまった理由を自身の経験を元に考察してみました。

とは言ってもどんな理由であれ被疑者を逃走させてしまうのは警察官としてあるまじき行為です。

「睡眠時間が確保できなかったから」なんて言い訳は通用しません。

それでも私は今回の不祥事、居眠りをしてしまった警察官だけに責任があるとは思いません

組織全体が反省した方が良い面もあると考えています。

その原因こそが、当直勤務という鬼畜な勤務体制です。

そもそも仮眠時間が確実に取れる保証も無い中24時間働き続けるのなんて無理があります。

こんな勤務を続けていたら、必ず今後も同様の不祥事が起きます

そこで以下では、私が当直勤務に従事していた際に実際起こしたしまった居眠り事例についてご紹介します。

行方不明者捜索中、危うく対向車と正面衝突

これは、クラウンパトで深夜に行方不明者を捜索していた時の話です。

この日は日付が変わった2時〜7時までが仮眠時間の予定でしたが、自殺企図者の行方不明事案を受理した為仮眠時間が過ぎてもなお捜索に当たっていました。

勿論それ以前にも交通違反検挙や職質、110番通報の現場対応を行なっていましたので、心身ともに疲弊しています。

目を閉じたら気絶するレベルの睡魔も襲っていました

それでも上司から「暫くはぶっ続けで捜索してくれ」との命令があったので、私と相勤者は眠い目を擦りながら自殺しようとしている行方不明者を懸命に探し続けました。

そんな時、私は普通に運転しているつもりでしたけど、いきなり目の前に眩しい光が現れたと思ったら、馬鹿でかいクラクションが聞こえてきたんです。

その瞬間、フロントガラスの前には正面衝突ギリギリの距離で対向車がこちらに迫ってくるのを見て私は焦ってハンドルを左に切りました。

結果、何とか正面衝突は回避しましたが、一歩間違えれば大惨事でした。

あの時反応が一歩遅れていたら、「居眠りしていた警察官が対向車と正面衝突した」と全国ニュースになっていた思います。笑

「交番のお巡りさんが寝ている」との苦情

警察にとって一番怖いものは苦情です。

そして私は警察人生で何度か苦情を受けた事があります。

その一つが、
「〇〇交番でお巡りさんが寝てました。」
というものです。

深夜帯でわざわざ苦情入れる人なんていないだろうと甘い考えで机に突っ伏していたところを一般人に目撃されてしまったんです。

ちなみに当時の当直勤務では、前直員から引き継ぎを受けた瞬間から昼飯を食べる暇もなく働き続け、交番に帰れたのは夜10時頃でした。

そんな状況ですので、昼夜兼用飯を腹一杯食べた結果気絶したかのように爆睡してしまったんです

当然苦情が入った訳ですから、幹部達からお叱りを受け反省致しました。

捜査書類作成中に爆睡

当時、私は宿直員として本署で待機していたました。

もうその日の勤務が終わろうとしていた午前6時頃、まさかの万引き犯確保の110番通報が入りました。

この文字を見ただけで現職の警察官は嫌悪感を抱くと思います。笑

刑事事案でしたので緊急走行で現場に到着し、被害品確認や被疑者の照会等を行なったところ、被疑者は起訴猶予の身である事が判明。

もうこの時点で逮捕確定です。

ちなみに逮捕事案になると検察庁に送致する為に莫大な捜査資料を作成する必要があります。

その中には勿論取調べも含まれています。

加えて現場から本署に被疑者を任意同行した時には勤務開始から24時間は経過していました。

つまり、勤務員全員疲労困憊状態です。

この状態から一つの事件を開始しなければならず、絶望を感じていました。

ですがそれでも仕事は仕事ですのでやらなければならない事はやらなければなりません。

私を含め、現場対応した地域警察官、宿直員は死に物狂いで取調べや捜査書類を作成していました。

そんな中、私は遂に体力の限界に到達し、書類作成中に爆睡してしまいました

気付いた時にはパソコンの画面中、
「じぇあっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっwjといっっっっっったうぇえええええええええええ」
みたいな意味不明な文字で満たされていました。

そもそも当直勤務なんて廃止した方が良い

今回川崎警察署で起きた脱走事件は確かに監視していた警察官の責任が大きいかもしれません。

ですがこれまで説明した通り、そもそも人間が24時間ぶっ続けで働き続けるのなんて無理です。

起き続ける事自体は可能でも、睡眠不足の状態だとミスも起きますし、意思とは裏腹に居眠りを起こしてしまう可能性もあります。

にも関わらず、処分されるのは何故か当事者だけ。

警察組織は勤務形態を変えようとしません。

今回の事例は、元はと言えば居眠りさせるほど過労させた組織側に責任があったんじゃ無いかなと私は思います。

そんな事情なんて一般人は知りませんから、叩かれるのは当事者だけ。

ですが、この記事を読まれた方だけでも警察官の労働環境の実態を理解していただきたいです。

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この記事を書いた人

元警察官。警察組織の内情や、
理不尽な労働環境で消耗しないための考え方を発信しています。

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