無人販売で野菜が盗まれるのは当たり前です。【その理由と対策方法を元警察官現農家の私が解説します。】

私が警察学校を卒業してすぐに配置された交番は、田舎でした。
田舎と言えば野菜の無人販売所が沢山ありますよね。
そして、この無人販売所が窃盗被害によく遭うのです。
私から言わせてもらうと、無人販売で物が盗まれるのは当たり前です。
ネット上でもこのような意見をよく見ますが、本当にその通りだと思います。
以下の記事では、その理由と警察目線で考えた対策方法を解説します。
無人販売所は本当によく盗難被害に遭う

私が交番勤務時代、管内の至る所で野菜の無人販売所がありました。
丁度下記の写真の様な無人販売所です。
都会に居住されている方は、中々見る機会は少ないかと思います。

もちろん、無人販売所ですので監視する人はいませんし、田舎ですので盗まれたとしても気づいてくれる人は少ないです。
最近急増している餃子の無人販売所雪松でさえ、盗難被害は発生しています。
そもそも、私個人の意見としては、野菜にせよ餃子にせよ、出店するなら防犯対策は完璧にしておくべきなのです。
酷いことを言うようですが、無人販売店を出店しておいて盗まれるのは当然です。
窃盗をする奴なんていうのは、性善説なんて通用しませんから。
そして、私の経験上、無人販売店が盗難被害に遭ってしまうのは、間違いなく防犯対策が疎かになっているからです。
無人販売盗難に対する私個人の意見
先程説明した通り、私が勤務していた交番管内には野菜の無人販売所が沢山ありました。
田舎の交番でしたので、店主の方達は巡回連絡の際に会話をした方ばかりです。
「巡回連絡」とは、交番や駐在所の警察官が、皆さんのご家庭や会社等を訪問し、ご意見やご要望を伺ったり、身近で発生する犯罪の予防や事故防止に役立つ情報をお知らせする活動です。
警視庁ホームページから引用
この方々が、盗難の通報を行い私たち交番員が現場に臨場した際に、
「忙しいところごめんね」
「野菜盗まれちゃった。」
と言われた時には、私たちも胸が痛みます。
一昔前は、性善説が有効で盗まれるなんてことは少なかったかもしれません。
しかし、現在の日本では親心を利用した犯罪が増えている事は事実としてあります。
私自身、
「無人販売店を出店するなら防犯対策をしなければ盗まれて当然」
と思っていますが、そもそもどこまで行っても盗む奴が一番悪いのです。
購入してくれる人を信用して無人販売店を出店しているのに、その良心を利用して盗難をする奴は絶対に許せません。
しかも、私の経験上、犯人の殆どは捕まる事はありません。
だからこそ、これ以上被害者を増やしたくないので、この記事を書きました。
以下の記事では、無人販売店を営む方に向けて、私が思う完璧な防犯対策について解説します
無人販売店を出店する際にやるべき防犯対策4点

これから無人販売店を出店している方や無人販売店を出店しようと考えている方に向けて、警察目線で考えた防犯対策をお伝えします。
その前に、効果的な防犯対策を講じるためのコツをお伝えします。
それは、「自分が盗難をする側になった時に、されたら嫌なことを想定する」事です。
この考え方は今回のケースのみならず、全ての犯罪に言える事です。
リアルに想定すれば想定するほど、効果的な防犯対策を講じる事ができます
防犯カメラ監視中の看板を設置

盗難犯罪者には、視覚と聴覚に訴える防犯対策が有効だと言われています。
その中で、一番手軽に実施できるのが、「防犯カメラ監視中の看板設置」です。

よく、農園や工場入口に設置してあるあれです。
それも、出来るだけデカい看板に出来るだけ視覚に訴える字体や色の物が好ましいです。
一番いいのは、本物の防犯カメラを設置することですが、正直に申し上げてコストが掛かります。
そこで、この「防犯カメラ監視中」や「録画中」と書かれた看板を設置することで、防犯効果が期待できます。
先ほど申し上げた「盗難する側の目線になる」の点で考えると分かりやすいです。
1、今日のターゲットを模索する
2、無人販売店を発見
3、防犯対策がされていない事を確認
4、周囲に人がいないことを確認
5、犯行
といった流れで犯行に及ぶ事が想定する中で、3番の「防犯対策がされていないことを確認」で有効な防犯対策です。
ほとんどの無人販売店で防犯対策がされていない中で、わざわざ防犯対策がされている無人販売店をターゲットにする必要はありません。
その防犯対策の一つが、看板です。
看板は視覚に訴える防犯対策として有効的です。
ダミー防犯カメラを設置

犯行状況を録画することは出来ませんが、ダミーの防犯カメラを設置することも有効的です。
その理由は、看板と同じですが、犯行をしようとしている人間に対して、視覚で訴える事が出来ます。
常習者でない限り、本物の防犯カメラとダミーの防犯カメラを見極める事は困難です。
現代のダミー防犯カメラは本当によく出来ていますから。
また、防犯カメラの効果は視覚に訴えることだけではありません。
盗難を行う犯人が一番恐れているのは、警察に捕まる事です。
そして、捕まる手掛かりとなるのが防犯カメラです。
防犯カメラが設置されている=犯行状況が録画されているということは、捕まるかもしれないという心理状況になります。
結果的に、防犯対策になるのです。
ただ、窃盗常習者は防犯カメラがダミーなのか本物なのか判別出来ます。
また、看板とダミーの防犯カメラを設置するだけでもかなりの防犯効果が期待できるのですが、それでも犯行に及ばれてしまった場合に、犯人特定は困難である事が難点です。
しかし、看板+ダミーの防犯カメラのみでも防犯対策は大いに期待できます。

センサーライトの設置

3つめの対策は、センサーライトです。
センサーライトは、視覚で訴える防犯対策で最も有効的です。

窃盗犯行中の犯人は、当たり前ですが自身の姿が他人に見られることを嫌がります。
ですので、光量の強い人感式のセンサーライトを設置することで犯行の阻止に繋がります。
センサーライトは無人販売所のみならず、
・自宅敷地内への嫌がらせ
・自宅敷地内に入ろうとする侵入盗被疑者への対策
・不法投棄
に対しても有効的で、実際私が警察官時代に様々な被害者に教示してきた対策です。
防犯カメラ【屋外用】

最後にご紹介するのは、屋外用防犯カメラです。
それも、無人販売所は電気回線が通っていない場合が殆どですので、自力発電できる物が必要です。
そこで有効なのが、太陽光発電式の防犯カメラです。
この防犯カメラさえ設置する事ができれば、防犯対策のみならず、犯行状況の撮影も可能です。
私が臨場した無人販売店を対象にした窃盗事件の被疑者を特定できなかったのは、犯行状況や犯人の特徴が不明であった事が原因です。
しかし、万が一犯行が行われたとしても、防犯カメラを設置することで犯人の特徴が判明し、結果として逮捕に繋がるのです。
更に言えば、田舎の土地で近隣に防犯カメラの設置が見込まれていない場合、自身で防犯カメラを設置しなければ犯人の特定はかなり厳しいです。
実際、無人販売店に対する窃盗のみならず、他の窃盗事件においても客観的証拠となる防犯カメラが無ければ、犯人の特定は困難です。
コストが掛かることなのがデメリットですが、防犯対策+犯人特定ができる唯一の物です。

まとめ
今回は、無人販売店がよく盗難に遭ってしまう理由と、その対策について解説しました。
そもそも、昔の日本では「性善説」がまかり通っていましたので、無人販売店を出店しても商品が盗まれる事は少なかったかもしれません。
しかし、残念ながら現在の日本ではその信頼を裏切るような輩が実際にいます。
私も、警察官時代無人販売店の被害届を沢山受理してきました。
そして、その多くは捕まりません。
ですので、少しでも被害を減少できればと思い、この記事を作成しました。


