3月25日、札幌市にあるコンビニ「セイコーマート」で店員3名が40代男性に死傷される事件が発生しました。
結果、1名死亡し2名が重症を負う惨事どなり、容疑者は警察官により現行犯逮捕されました。
この事件の恐ろしいところは、「容疑者が店員に対して恨みがない事」です。
予測する事が不可能な状況で、今回の事件が発生してしまいました。
そこで、今回のように突発的に命を狙われる状況になった際の対策について、警察官時代に自分の身を守るために行ってた事に基づき解説をしていきます。
なお、今回の記事は接客を伴う店舗に向けて解説しています。
まず、どのような人が殺意を持って襲ってくるのか
自暴自棄になり、逮捕を恐れていない人

最初に考えられるのは、自暴自棄になり逮捕を恐れていない人です。
失業・借金等で、生きていても希望を見出せないと考えている人のことです。
これらの人の中には、「誰でもいいから人を傷つけたい」と思う人が居るのが事実です。
今回の犯人がどう言う意図で襲撃をしたのかわかりませんが、これらに該当する可能性もあります。
逮捕を恐れていない人は、自分自身が犯行に及ぶ事に何一つ躊躇いがありません。
その証拠に、現場には犯行に使用した刃物以外の刃物も押収された情報があります。
つまり、計画的犯行であったという事が言えます。
我々が生活する社会の中で、このような人が居る事は恐怖そのものです。
私個人の意見としては、今回の犯人のみならず、全国各地に同じ思想を持った人間は絶対にいます。
そして、今後も同様の事件が発生する火種はどこにもあると思っています
知的障害者

知的障害者による、同様の殺人事件は過去にも発生しています。
例えば、「津久井やまゆり園殺人事件」のように、知的障害を持った犯人が多くの命を奪うケースです。
相模原障害者施設殺傷事件
神奈川県立の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」の元職員であった植松 聖(うえまつ さとし、事件当時26歳)が、同施設に刃物を所持して侵入し入所者19人を刺殺、入所者・職員計26人に重軽傷を負わせた[10][11][12]。殺人などの罪で逮捕・起訴された加害者・植松は、2020年(令和2年)3月に横浜地方裁判所における裁判員裁判で死刑判決を言い渡され[8]、自ら控訴を取り下げたことで死刑が確定した
Wikipediaから引用
他にも、警察官の拳銃を奪って自殺するために犯行に及んだ、富山市池多駐在所襲撃事件が挙げられます。
この事件も、「自閉症スペクトラム障害」という精神障害が起因した犯行と言われています。
私が警察官時代、様々な事案を対応しましたが、精神障害者が家族間のトラブルや近隣住民との揉め事、万引きをするのを実際に見てきました。
個人的な感想として、これらの精神障害を負っている方達は、我々正常人が理性で制御できる部分が欠落しているように思います。
すぐに感情的になり、その感情のまま行動に移してしまいます。
結果、先ほど例に出した事件が発生してしまうのです。
警察官時代に身を守るために心がけていた事
人と接する時の間合い

私は警察官時代、どんな状況であろうと一般人と会話する時は一定の間合いを保つように心掛けていました。
一定の間合いとは、相手が急に襲ってきても反応できる間合いの事です。
私たち警察官は、職務執行中に一般人から急に襲われた時の対処法を定期的に訓練しています。
そして、その訓練は交番襲撃を想定したものが多いです。
丁度、今回の事件と似たような状況です。
どのような訓練か例を出すと、
- 持ち物を無くしたと訴える一般人を対応
- 対応していた一般人が急に刃物で襲ってくる
- その一般人を制圧する
といった訓練内容です。
このような状況の中で、大前提として必要なのが、間合いです。
もちろん、制圧するためには装備品の使用は欠かせませんが、まずは常に反応できる間合いを取る事が大切です。
ただ、今回の事件の舞台はコンビニで、人の出入りが多すぎます。
完璧に間合いを取る事は難しいと思います。
しかし、頭の片隅にでもこの「間合い」を意識するだけで生きる確率は上げられます。
装備資機材をすぐに取り出せる場所に置いておく

日本全国の交番や駐在所には、必ず装備資機材が置いてあります。
その理由は、いついかなる時でも襲撃に備える為です。
用意している資機材の種類は、
・アクリル板(カウンター設置)
・盾
・刺股
・木刀
・耐刃手袋
等です。
これらの資材は、交番のみならずパトカーにも常備されています。
その他に、警察官は常に催涙スプレーや警棒・拳銃を常備しています。
ちなみに、日本の法律では護身用で催涙スプレー等の護身グッズを携帯して外を出歩くと軽犯罪法違反に触法する可能性があるので注意してください。
ただし、店舗内で常備する事は法律には触れません。
また、ただこれらの装備品を用意しておくだけでは何の意味もありません。
それぞれの装備品の使用方法を熟知し、いざという時に適正に使用できなければいけません。
ですので、装備品を準備するのは勿論ですが、様々なケースを想定して、どのように活用するのかマニュアル化する必要があると思います。
あと、これだけをお伝えしておきたいのですが、刺股は一見襲撃された際に万能だと思われるかもしれませんが、襲ってきた相手より自分の方か体格が優っている状況以外は使用しない方がいいです。
これは私が訓練の経験から感じたことですが、刺股で犯人を制圧するのは難しいです。
身体を鍛える(護身)

私は警察官時代、いつ襲われてもいいようにプライベートで格闘技ジムに行っていました。
勿論警察も柔道や剣道、逮捕術の訓練はあります。
しかし、私個人の意見としては、より実勢的なトレーニングをしないと現場で活用する事は難しいと思います。
実際、警察で行う訓練の中で逮捕術というものがあります。
逮捕術は、簡単に言えば剣道のような防具をつけた状態で、グローブを付けて殴り合ったり警棒で叩き合ったりするものです。
しかし、これらの訓練は多少痛みを感じますが防具が付いています。
こんな緩い訓練をしたところで、現場で活用出来るわけありませんし、自分の身さえ守る事が出来ないと感じました。
ですので、私はプレイベートで格闘技ジムに行って身体を鍛えていました。
そのおかげで、喧嘩の現場や泥酔して暴れる人の対応で怪我をする事はありませんでした。
身に危険が及ぶ事が生じたらすぐに助けを求める

警棒や拳銃を携帯している警察官でさえ、自身の身に危険が及ぶ可能性がある場合は無線で助けを呼びます。
実際、交番襲撃事件が発生して警察官が亡くなっているように、警察官と言えども人間ですので危害を受ける事もあります。
それが、拳銃も何も持っていない一般人だとしたら、尚更助けを求める必要があります。
店舗でいうと、必ずセコムを設定した方がいいです。
セコムの非常ボタンを押下すると、まずはセコムの警備員が現場に急行し、同時に警察官も最優先して現場に駆けつけてくれます。
実際、私が警察官時代、セコムの異常発報があると、緊急走行で現場へ急行していました。
私の経験を踏まえた、店舗における防犯対策
これまで、私が警察官として勤務していた時に、自身の命を守るために心が掛けていた事を解説していきました。
この経験を踏まえ、店舗における防犯対策についてご紹介していきます。
カウンターにアクリル板を設置する

現在、全国各地の交番の殆どに、カウンターにアクリル板が設置されています。
このアクリル板がある事で、交番襲撃を企てている人物が簡単に交番内に侵入する事を防ぐ事が出来ます。
コロナウィルス感染拡大に伴い、コンビニでのアクリル板を設置する店舗はたまに見る事があります。
しかし、それらのアクリル板はウイルス飛沫感染防止の観点のみで設置されている物が多い印象です。
コスト面から全店舗に設置をする事は難しいかもしれませんが、今回のコンビニ襲撃事件に感化されて同様の事件を企てる人物が現れてもおかしくありません。
ですので、コンビニ等の店舗には設置する事は必要だと私は思います。
緊急通報システムを搭載する

今の時代、接客を伴う店舗ではセコムやアルソック等の緊急通報システムを搭載している所が多いです。
私が警察官時代も、緊急通報システムが発報して現場へ急行する経験をしました。
実際、緊急通報システムが発報して現場に臨場し、民家なり店舗に侵入した人物を検挙した経験があります。
ただ、このシステムにもデメリットがあり、それは誤発報がちょくちょく発生している事です。
警戒モードを解除し忘れて発報してしまったり、装置の劣化により発報してしまい、警察官や警備員が臨場してしまう事が多いです。
ただデメリットもあり、悪い言い方になってしまうのですが、迷惑を被るのは警備員と警察官だけです。
そのデメリットと比較して、万が一自身の生命と財産に危険が及ぶ事を防いでくれるメリットの方が大きいです。
護身用品をすぐに取り出せる場所に置いておく
交番内やパトカー内では、常に暴漢と対峙する為装備資機材を置いてあります。
警察官という仕事は、日本で一番命の危険がある職業であると私は思っています。
だからこそ、いつ最悪の事態に遭遇しても備えています。
それと同じように、今回のようなコンビニ襲撃事件が発生してしまった以上、警察のみならず接客を伴う全店舗が危機意識を持つべきです。
警察と同じ水準で装備資機材を用意しておく事は現実的に難しいと思います。
ですが、銃刀法違反に該当しない、警棒や盾を用意しておく事は可能です。
最悪の事態に備え、護身用品は備えておく必要があると思います。


まとめ
今回の記事では、今回発生したコンビニ襲撃事件を踏まえ、私が警察官時代に自分の命を守る為に心掛けていた事と、その経験を接客を伴う店舗で活用する方法をご紹介しました。
このような事件を犯す人間は、過去の事例から分かる通り、自暴自棄になっているか精神障害を患っている可能性が高いです。
そして、これらの人間は犯行に及んだ結果逮捕される事を微塵も恐れてはいません。
私が警察官として勤務していた時は、いつ自身の身に危険が及んでもいいように、身体を鍛えていたり、常に一般人と接する時は一定の間合いを取る事等、意識していました。
そして、刃物を持った人間に対しては、装備品を活用して制圧するシチュエーションを何度も反復訓練していました。
これだけ用意周到にしていたとしても、奥田交番襲撃事件のように、警察官が亡くなってしまう事案が発生しています。
また、このような事件は交番のみならず、我々がよく利用するコンビニでも発生します。
だからこそ、今後も同様事案が発生する可能性がある事を踏まえ、十分な対策が必要になっていきます。

コメント