皆さんが護送車と思っている警察の青いバス。
実は護送車ではないんです。
あれは、機動隊員を災害現場や訓練場に乗せて走る人員輸送車と呼ばれる大型車両です。
ちなみに車種はエルガミオです。
警察用語で「管バス」と呼ばれています。
そして私は、管バスの運転手として隊員を乗せて走っていました。
よって、誰よりも内情を詳しく知っている自負があります。
そこで今回は、「警察の青いバス」に関する謎について、詳しく解説していきます。
本当の護送車はワンボックスカーです。

実際被疑者を留置場や拘置所に移す際、警察車両を使います。
その際に使用するのは、セレナ等のワンボックスカーです。
護送自体は警察官3人で行います。
一人は運転手、もう二人が被疑者を挟む形で後部座席に乗車します。
私も護送自体は数え切れない程経験してきました。
ワンボックス以外にも、覆面でよく見るセダン車を使用する時もあります。
意外と知られていない「青いバス」の特徴について

この記事を読んでくださっている方は、青いバスが少なくとも警察車両である事自体はご存知だと思います。
実はそれすら知らない人も少なくはありません。
私も警察官になる前は管バスの存在さえ知りませんでした。
そこで、意外と知られていない管バスの特徴についてご紹介します。
投石防止の柵が窓に設置されている

この画像を見て貰えばわかる通り、フロントガラス以外の窓ガラスやライト部分には全て鉄製の柵が取り付けられています。
今でこそありませんが、一昔前は極左暴力集団による成田抗争、日雇労働者による西成暴動という事件が発生しています。
この事件は警察官に対して火炎瓶や投石等の攻撃がありました。
上記の動画は、西成暴動の映像です。
警察官の制圧方法も今じゃ考えられないですよね。
でも全国の機動隊員は、いつこのような暴動が起きても対応出来るよう日々訓練しています。
私も訓練中、先輩隊員から鉄パイプをフルスイングで殴られた事もありました。
勿論盾を持っている状態でですよ?笑
そして投石等が投げ込まれた時、柵をしていなかったら窓ガラスが割れてしまいます。
そうなると車内に侵入される事も考えられます。
だからこそ、管バスには柵が設置されているんです。
座り心地が悪すぎる
機動隊では、県外への派遣がめちゃくちゃ多いです。
近所だったら何も辛い事は無いですが、遠方になると本当にキツイです。
その大きな理由は、座り心地の悪さです。
冒頭で紹介した通り、管バスはエルガミオを改造したものです。

写真の通り、普通に路線バスとしても使用されている車種です。
そしてこの車の座席は尻を破壊します。
汚い話ですが、私これのせいで痔になりました。
今でも後遺症が残っているので恨んでいます。
長距離移動だと、どうしても眠たくなるので寝ようとするんですが、座り心地が悪すぎて眠れません。
運転席はまだマシですが、その他の席は例外なく最悪です。
もっと予算を掛けて欲しいと当時思っていました。
振動がヤバすぎる
次に紹介する特徴は、走行中の振動がヤバすぎる事。
災害現場に派遣された時なんかは最悪です。
一応各座席にドリンクホルダーが付いているので隊員は皆缶コーヒーだったりお茶を置いてます。
そんな中、自身によって道路がボコボコしている場所だったり山道を走行すると全ての飲料水がぶち撒けます。
それ以外にも、長距離派遣の時は仮眠を取ろうとしても振動がヤバすぎて中々寝れません。
本当に管バスでの移動は最悪でした。
サイレンやマイクが設置されている

一応管バスも警察車両ですので、パトカーのようにサイレンやマイクが設置されています。
私の機動隊人生で訓練を除いて使用した事は一度だけです。
それは、右翼警備警戒の時です。
祝日になると、街宣車が軍歌をスピーカーで流しながら走っているのを見た事ありますよね?
共産党の講演会なんかが開催されると、奴らは会場前で抗議活動をしようとします。
最悪の場合、暴動が起こる可能性さえあります。
よって機動隊員は、交通規制を行い警備活動に従事します。
その際、私は管バスで主要道路を閉鎖する任務を命じられていました。
そこで実際街宣車が侵入してきましたので、馬鹿でかいサイレンを鳴らしながら道路を閉鎖しました。
これが、人生で唯一管バスのサイレンとマイクを使用したシーンでした。
元運転手が語る管バスあるある
冒頭でも話した通り、私は機動隊時代管バスの運転手でした。
中々元警察官系ブロガーでもこんな経験した人いないと思います。
そこで、元運転手だからこそ話せる管バスあるあるについてお話ししようと思います。
無料で大型免許が取れる
不純な動機かもしれませんが、私が管バス運転手を志したのは大型免許が無料で取れるからです。
勿論、当時は警察を辞めるつもりなんてさらさら無かったです。
でも現在農家として仕事をしており、大型車両を運転する事が結構多いので、その点税金泥棒と言われても仕方ないと思っています。笑
話は脱線しましたが、管バスの運転手希望者は国費で大型免許を取得する事が出来ます。
警察官としての仕事の合間に教習所に通わなければならないので、時間的に結構タイトでした。
自衛官だったり消防士も国費や県費、市費で支払われます。
その代わり、警察官で大型免許を持っている人は事あるごとに使われます。
機動隊を除隊した後でも警察官を様々な要務で輸送する場面があります。
そんな時、休日であろうが運転手を任せられてしまいます。
だとしても無料で免許が取れるなら断然良いと私は当時思いました。
結果として、管バスの運転手になる決断をした事は良かったです。
運転手は現場でちょっと優遇される
二つ目に紹介するのが、運転手は現場でちょっと優遇される事。
管バスの運転手は、隊員が移動中休めるのに対し常に運転しなければなりません。
私自身運転嫌いでは無かったので辛いとあんまり思いませんでしたが。
それでも他の隊員より疲労している事は紛れも無い事実です。
そんな状況を配慮して、当時の小隊長から勤務においてかなり優遇されていました。
他の隊員が汗水垂らして仕事をしている時、車内で休ませてもらったり勤務を除外してくれる事が多かったです。
運転しているだけであんな神待遇されるなんて本当に有難いです。
ただ、こんなに神待遇をしてもらえる訳ですから中には勘違いしてしまう人もいました。

俺は運転しているから他の人より偉いんだ
と。
そういう奴は、例外なく干されていました。
どんな業界でも、謙虚に生きる事が大切なんだと感じます。
一般人からめちゃくちゃ見られる
三つ目に紹介するのが、運転中一般人からめちゃくちゃ見られる事です。
先ほども紹介した通り、管バスの窓ガラスは全て柵がされています。
更に全ての窓にカーテンも設置されています。
一方、道路交通法上運転席側の窓ガラスは視界を良好にしなければならないので、カーテンも柵もありません。
そうなると、外から運転手が丸見えです。
しかも管バスなんて滅多に見られる警察車両ではありませんので、信号停止中なんかは二度見三度見されます。
当然警察官らしい姿を見せなければならないのでゲラゲラ笑う事も、運転しながら菓子パンを食べる事も出来ません。
そういった点は緊張感が必要でした。
警察マニアから激写される
特に東京オリンピック出動の時はめちゃくちゃ撮られました。
こちらのポストの様に、警察マニアって結構います。
そして当時私の顔つき写真がSNSで拡散されていました。笑

ちょっとはプライバシー考えてくれよ!
と思う反面、少し嬉しい気持ちもありました。笑
もし撮られている時にアクビなんかしていたら大説教を喰らうので、大人数いる場所を走行する時は真顔を心がけていました。
道覚えるのが大変
機動隊は、応援要請があれば全国各地に出向きます。
そして移動は下記の写真の通り、車列を組んで走行しなければなりません。

しかもルートは予め決まってるので、出動日までに運転手は完璧に記憶する必要があるんです。
これが結構大変で、とてつもない長距離の時なんかは二日間位ずっとグーグルマップと睨めっこをしていました。
そのお陰で私は機動隊人生で一度も道を間違えた事はありません。
一方、中には行き当たりばったりで運転する人もいるので、そういうアホは何度も道を間違えていました。
機動隊のみならず、警察という仕事は集団組織です。
一つの部隊が逸れただけで全体の進行の妨げになります。
そうならない為、管バスの運転手は責任感を持てる人じゃないと務まりません。
隊員を起こさない運転する必要がある
次に紹介する裏事情は、管バスの運転手は小隊長や分隊長を起こさない運転を心掛けなければならない事です。
先ほど説明した通り、管バスは座り心地がクソ悪いです。
それに加えて運転手の運転が荒かったり下手くそだと、一向に寝る事が出来ません。
その為、運転手は乗員が寝られる様な快適な運転をしなければならないんです。
その点については、私自身めちゃくちゃ自身があります。
出発してから1時間もすれば隊員の殆どを寝かす事が出来ていました。
当時の幹部からも、
「お前の運転は快適だ。」
と称賛されていました。
警察は気遣いが求められる仕事ですので、私は運転手の経験を経てそういった部分が鍛えられたと自負しています。
管バスの運転手になる方法
私は交番勤務中に、管バスの運転手になりたいと目標を定めました。
そこからは、先輩になり方を聞いて出来る事を全て行った結果、達成する事が出来ました。
そこで、私が警察官時代に行った管バス運転手になるまでに努力した点をご紹介します。
異動希望を管区機動隊にする
私は機動隊と言っても柔道特練や剣道特練が入る機動隊では無く、管区機動隊という部隊に所属していました。
これは普段は各警察署で勤務しながら、訓練や出動に従事します。
管区機動隊は全国各地にあり、
関東地区=関東管区機動隊
九州地方=九州管区機動隊
といった感じです。
そして警察には異動希望という調査があり、刑事になりたい人は刑事希望、白バイ隊員になりたい人は交通機動隊希望というように、自由に希望を提出する事が出来ます。
もし管バスの運転手になりたいと思っているなら、この希望調査で管区機動隊を希望しなければなりません。
普段から交通事故を起こさないようにする
当然、管バスの運転手には高い運転技術が求められます。
もし普段から自家用車であったりパトカーで事故ばかりしていたら、間違いなく選ばれません。
当然私も社会人になってから自分が第一当事者としての事故は一度も起こした事がありません。
周りの運転手も、過去に事故した事がある人は殆どいませんでした。
他の仕事も頑張る
管バスの運転手は、道を覚えたり警察官らしい姿が求められる責任ある役職です。
運転技術があるだけでは務まりません。
「運転さえ出来れば他の仕事がサボって良い」
と考える人は、間違いなく選ばれません。
大前提として言っておきますが、管バスを運転するという事は乗車する隊員の命を運ぶという事です。
不誠実でしょうもない人間に務まる訳ないですよね。
なので、私は交番時代も交通違反取り締まりや犯罪検挙をめちゃくちゃ頑張りました。
あまり点数の話はしたくありませんが、警察署内では検挙件数常に上位を守っていました。
管区機動隊に入ってからも、誰より仕事を頑張っていた自信があります。
そういった裏の努力が認められ、運転手として選出されたんだと思います。
まとめ
今回の記事では、元管バスの運転手である私が、
✔︎管バスの特徴
✔︎運転手あるある
✔︎管バス運転手になる方法
について解説しました。
今回は管バスが護送車では無いことを説明しましたが、国民が結構警察に対して勘違いしている点があります。
今後の記事でも、豆知識的な情報をお伝えしようと思います。

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