安否不明と行方不明ってどう違うの?元警察官が明確な違いを解説します。

勤務中に素朴な質問として、

安否不明と行方不明って何が違うの?

と問い掛けられる事がよくあります。

ネットで検索してみても、同様の疑問を持たれる方が多いようです。

そこで今回の記事では、

安否不明と行方不明の違い

について、実際私が現場対応した例を元に解説します。

目次

安否不明についての解説

結論から申し上げると、
対象者の居場所は分かるけど生存確認が取れない状況
の事を安否不明と言います。

要は、
別居中の母親と連絡が付かない
従業員が出社していなくて自宅は鍵がかかっている
といった状況です。

分かりやすく理解してもらう為、実際私が対応した安否確認事案を元に解説します。

高齢の母親と連絡が付かない

この種の事案はよくあります。

別に自分で直接確認すれば良く無い?

と思われるかも知れません。

ですが、
仕事の関係で今すぐ向かえない
遠方に住んでいる為時間が掛かってしまう
等の事情がある場合については警察を頼るべきなんです。

そして今回の通報内容では、高齢者の母親と連絡が取れないと言う事ですので、最悪の場合孤独死している可能性だってあります。

実際同様の通報を受理して臨場した際、完全施錠状態で呼びかけにも応答しない状況がありました。

止むを得ず親族の了承を得た上でガラスを割って侵入し、屋内を確認したところ、意識はあるけどかなり苦しんで横たわった状態で発見した事があります。

結果、即座に119通報して緊急搬送して貰う事ができました。

もし警察を頼らず時間を掛けて直接確認していたら、亡くなっている可能性もある訳です。

ですので、躊躇う事なく警察に通報した方が絶対良いんです。

遠距離恋愛中の彼女と急に連絡が取れなくなった

本当に見出しのような通報ってあります。

私も事案概要を聞いた時に、

そんな事で警察利用するなよ


とぶっちゃけ思いました。

でも話を聞いてみると、
統合失調症を患っていて過去に自殺未遂をしている。
つい先日喧嘩したばかりで、精神的に不安定かも知れない。
というかなり深刻な問題がある事が判明しました。


確かにこのような状況であれば、連絡が付かないと言う理由で通報した事は納得できます。

よって私達は通報者の彼女さんのご自宅に伺いました。

そしてインターホンを鳴らした結果、普通に元気な彼女さんが登場し、

どうしてお巡りさんが来たんですか?


と不思議そうにしていました。

ですので私達が来た理由を説明したところ、

ちょっと精神的に落ち込んでいました。

彼氏には「元気だよ」と伝えてください。

とお願いされた為、その通り通報者に無事をお伝えしました。

行方不明の解説

安否不明は、
所在は分かるけど生存確認が取れない状況である
と解説しました。

次は、行方不明について説明します。

結論から申し上げると、行方不明とは、
そもそも所在すら分からない状態
の事を言います。

緊急性の高いものから低いものまで様々です。

ここでも、行方不明について実際対応した事案を元に分かりやすく解説します。

遺書を残して夫が家を出て行った

これはかなり緊急性の高い場合です。

行方不明事案において、行方不明者が事故に遭う可能性や自殺する蓋然性が高い行方不明者の事を、
特異行方不明者(特異家出人)
と呼びます。

これに認定されると、警察は組織を上げて大捜索します

正に見出しのような状況であれば、家出をした目的が自殺である可能性が高いです。

ですので、特異行方不明者と認定されます。

認知症の母がいなくなった

これについても、
認知症を患っている高齢者は事故や遭難に遭うリスクが高い
と判断され、特異家出人に認定されます。

これ結構厄介で、携帯電話を持っていない場合位置情報を取得する事が出来ません。

加えて車を使用している可能性も低いですから、Nシステムによる検知も不可能です。

結果、人海戦術と第三者からの目撃情報でしか捜索する術しかありません。

実際認知症老人の行方不明事案で数日経っても発見に至らず、結果山中で亡くなっている状態で発見した経験もあります。

喧嘩した娘が車を使って家出をした

上記二つの事案に対し、見出しの状況は比較的緊急性が低いです。

特に自殺を示唆している訳でも、精神病を患っている訳でもありません。

加えて車を使用して家を出ていると言う事ですので、Nシステムに登録すれば検知する事は難しくありません。

こういった場合、警察が組織を上げて捜索する事はありません。

そして私の経験上、こういった行方不明者は帰ってくる事が殆どです

まとめ

今回の記事では、安否不明と行方不明の違いについて解説しました。

明確な違いがありますが、一般人の方には分かりにくいかも知れません。

そしてこの情報が何の役に立つのか分かりませんが、読んでくださった方の疑問を解消するキッカケになればと思います。笑





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この記事を書いた人

元警察官。警察組織の内情や、
理不尽な労働環境で消耗しないための考え方を発信しています。

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