警察官を辞めて良かった事【退職から一年が経過】

私は警察官を辞めて約1年が経過しました。
勿論警察官時代よりも給料は低いですしなんなら労働時間も現在の方が長いです。
しかし、全く後悔はしていません
その理由は、私自身警察の仕事が本当にやりたい仕事と感じなくなったからです。
そこで今回は、警察官を辞めて良かった事と反対に辞めて感じたデメリットについてお話しします。

警察官を辞めて良かったと思う点

幹部のご機嫌取りの為の仕事をしなくてもいい

元々私は犯罪被害者の為に、犯罪者を沢山検挙しようと思い警察官になりました。
警察学校入校中も、「卒業したら誰よりも検挙してやる」と思っていました。
でも、いざ卒業して配属された警察署で勤務を始めてみると、幹部の設定したノルマを達成する為の仕事になっていました。
そりゃ仕事をやる気の無い警察官がいる事も事実ですので、ノルマを設定する事自体は悪いと思いません。
むしろ、大多数の警察官はそこをモチベーションにしていると思います。
これは仕方の無い事かもしれませんが、ノルマの為に仕事をしていると本来の意味を見失ってしまいます。
要は、悲惨な交通事故を減らす為に取締りを行ったり、犯罪を未然に防ぐ為に職質や事件処理をするのでは無く上司に褒められる為に結果を出す事に重きを置いてしまっていたのです。
私自身がそこを割り切って、「警察というのはそういうもの」と認識して、仕事をやり続ければ良かったのかもしれません。
しかし、「これから何十年もこれやるの?」と思うと人生を無駄にしている気がして仕方なくなりました。
そう思った事がきっかけで警察を辞めた訳ですが、現在私は農家です。
毎日休みなく働いていますが、本当に辞めて良かったと思います。
機嫌を取らなければいけない上司もいませんし、自分のやりたい仕事が出来る環境があります。
そこで気づいたのが、本当にやりたい仕事をしていればノルマなんて全く必要ないという事です。

やりがいのある仕事を見つけられた

冒頭でもお話しした通り、警察官になる前は犯人を沢山検挙する自分を描いて希望を持っていました。
自分で言うのも何ですが、検挙件数は県下でも常にトップクラスでした。
でも、警察官を続けていく内に、「俺がやりたかったのって本当にこの仕事なの?」と思うようになっていきました。
被害者の為に犯罪者を検挙した時は喜びを感じますし、その為に一緒に働いた同僚は良い仲間です。
しかし、結局自分はノルマを達成する為に仕事をしている事に気付きました。
「犯人を沢山検挙する自分」を思い描いて警察官になった筈なのに、実現できた現在に何もやりがいを感じなかったのです。
それに関しては自分自身が警察に向いていなかったからだと思います。
そう思うようになってから、本当にやりたい事は何なのかを考えました。
その答えが農家になる事でした。
寒い日も暑い日も農産物を生産して消費者に提供する事に今やりがいを感じています。
前職と全く関係ない業種に飛び込んだ訳ですので、分からない事だらけで悩みも多いです。
それでも、その悩みさえ楽しいと思えます。
本来、仕事というのはこういったやりがいを持って行うものだと気付かされました。

休日の呼び出しが無い

警察官として働く上で、「呼び出し」は必ず経験します。
呼び出しとは、勤務時間外にも関わらず深夜早朝問わず出勤を命じられる事です。
特に、内勤(刑事課、生活安全課、交通課等)になると呼び出し回数は跳ね上がります。
そして、私はこの呼び出しがとても苦痛でした。
私は主に薬物関係を担当する刑事課員として勤務していた時に、毎週の様に呼び出しを受けていました。
そのシチュエーションは、
・彼女とデート中
・パチンコの確変中
・晩酌中
等様々です。
警察官たるもの休日であろうが事件が発生すれば出勤して当たり前と思われるかもしれません。
しかし考えてみてください。
毎日朝から晩まで働いて、たまの休みにリラックスしようとしても強制的に出勤させられるのです。
しかも呼び出しを受けるということは、それなりに忙しく勤務を強いられます。
そんな事が続けば彼女や奥さんとの関係は悪化します。
私は、仕事が原因で家族関係が悪化する事はあってはならないと思っています。
警察官をやっている以上、その機会は頻繁に起きます。
「それでも警察官だから仕方ない。」と思える人が警察官に向いているのだと思います。
だからこそ、私は警察官に向いていないと思いました。
休日は呼び出される事なく思いっきりリラックスできる現在の環境が自分に合っています。

頭のおかしい奴と関わらなくても良くなった

警察24時で、話が通じない奴を警察官が対応している状況が放送されています。
しかし、実際はあんなもんじゃないです。
本当に頭のおかしい奴を相手にしている時の状況なんて、放送できません。
いきなり殴ろうとするわ唾を吐きかけるわ、警察の言う事なんて全く聞きません。
そんな奴らを相手にするのは本当に神経がすり減ります。
よく、「警察官に手を出した時点で公妨で逮捕すれば良いじゃん」と警察官以外の人は言いますが、実際公妨で逮捕する事は滅多に無いです。
刑事課員の負担になるし、攻撃を避けられなかった警察官が悪いと組織内部では思われるからです。
そして、頭のおかしい奴は対応する一般市民だけでなく警察内部にも頭のおかしい奴はいます。
働き方改革が言われているこのご時世に、
「切符切れていない奴が休暇取得するな」
「家族の結婚式なんかで休暇を取得するな」
等、意味不明なパワハラをしてくる上司が存在します。
とにかく、性格難な人が多いです。
内部でも外部でも頭のおかしい奴と関わる事がなくなった事も、辞めて良かったと思う点です。

警察として働くメリット

ここまで、警察を辞めて良かった事を赤裸々にお話ししました。
とは言っても、警察官として働く上で生じるメリットも確かにあります。
辞めて始めて感じた事もありましたので、どう言った点がメリットなのか解説します。

世間体がめちゃくちゃ良い

やっぱり警察官は世間体が良いです。
客観的に見て「正義の為お国に遣える立派な人」というイメージを持たれるからです。
私自身、警察官を辞める際に親戚、友人から、
こんな良い仕事やめちゃうの?
と言われました。
はっきり言って学生時代の私は勉強が出来た訳でも、裕福な家に生まれた訳でもありません。
しかし、警察官になった途端に私に対する周りの視線は極端に変わりました。
それが、警察を辞めた途端一切無くなりました。
別に周りからチヤホヤされたいが為に警察官になった訳ではありませんので、それが無くなったところでどうという事もありませんが。

モテる

男女関係なく警察官は間違いなくモテます。
マッチングアプリで警察官と繋がりたいという女性は結構いますし、合コンもよくセッティングされます。
そこまで仲良くなかった学生時代の同級生や後輩からも、連絡がちょくちょく来てました。
それくらい、警察ブランドは強いです。
警察のみならず、消防士や自衛隊等、何かを護る仕事をしている人は、モテるのかもしれません。
しかし、勘違いしてはいけないのが、彼ら彼女らは自分自身を見ているのでは無く、警察官という肩書きを見ているのです。
実際、私自身警察官時代に仲良くしていた女性がいました。
でも私が警察官を辞めた途端離れていきました。
これは私にそれだけの魅力が無かった事が大きな原因を占めると自覚していますが、少なくとも私が警察官だから仲良くしてもらっていた部分はあると思います。
なので、それでもいいからモテたい人は警察官になったら良いと思います。

仕事をサボっても安定した給料

警察官のみならず、これは公務員全体に言えるメリットです。
一般企業ならミスを繰り返したり、仕事をサボる従業員は会社にとって必要ない人材と判断され、クビになると思いますが、公務員は違います。
厳密に言えばクビに出来なくはないのですが、不祥事を繰り返さない限り強制的にクビにする事はできないのです。
それを良い事に、全く仕事をしない警察官も存在します。
そのような人は、110番通報があっても対応を他の勤務員に任せたり、犯罪被害者の為に仕事をするのではなく、如何にして自分が楽をするかしか考えていません。
はっきり言って税金泥棒です。
ただ、私も常に勤務成績が良かった訳では無く、身内に不幸があったり彼女に振られて勤務成績に響いた事がありましたが、それでも給料は下がりませんでした。
その恩恵をちゃっかり受けていました。

まとめ

今回の記事では、警察を辞めて良かったと思う点についてご紹介しました。
警察の仕事内容自体は別に嫌いじゃなかったし、自分にとってプラスになる事も多かったです。
しかし、次第にやりがいを感じられなくなり、このまま何十年もこの仕事をやりたくないと思いました。
現在私は全く違う職種の農家ですが、毎日やりがいを感じられています。
また、警察時代に経験した不自由さは全く無くなりました。
退職してから約一年経ちましたが、本当にやめて良かったと思います。

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