恐らくこの記事を読まれているのは、警察官採用試験に合格し、術科選択で迷っている方だと思います。
単刀直入に申し上げると、柔道を選んだ方が絶対良いです。
実際私も、「柔道の方が初期費用が安いから」という理由で柔道を選択しました。笑
結果として、実務的な面でも柔道を選んで良かったと思います。
今回のテーマに関しては、あくまで柔道も剣道もやった事の無い方に向けて発信しています。
その上で、何故柔道を選択した方が良いのか、過去の経験を元に解説します。
柔道を選択するメリット

先ほども申し上げた通り、私が柔道を選択した理由って初期費用が安いからです。
実際やってみると体力的にめちゃくちゃしんどくて、後悔した時もあります。
ですがいざ現場に出ると、柔道を選択して良かったと思う経験が何度もありました。
そこで、今どちらを選択しようか迷っている方に向けて、柔道を選ぶメリットについて解説します。
現場で警棒なんて滅多に使えない
基本的に被疑者の制圧って、相手が丸腰の場合は警察官側も武器を使用する事は滅多に無いです。
その理由は、必要最小限の実力行使が求められるから。
海外の警察って拳銃バンバン撃っていますけど、日本の場合よっぽどの事がない限り撃てません。
撃てないどころか、ホルスターから拳銃を抜く事自体も「拳銃使用」になるので、
「これ適法な職務執行なのかな」
と不安になって躊躇う事が多いのが現状です。
それは警棒も同じで、警棒を使用して制圧しようとするとほぼ間違いなく相手に怪我を負わせる事になります。
仮に使用したとして、裁判沙汰になった時に違法な職務執行であったと判決が下れば、自信のキャリアにも影響する事になります。
ですので、折角剣道で技術を高めたとしても、現場で応用できる事が少ないんです。
怪我を負わせずに制圧出来る
これは先ほど説明した剣道を選択するデメリットと被るんですが、柔道やってると相手に怪我を負わせる事なく制圧する事が出来ます。
仮に怪我をさせたとしても、殆どの場合は軽傷で済みます。
私が勤務していた地域は比較的都会に位置付けられる場所で、夜になると泥酔者や喧嘩が毎日のように勃発していました。
そうなると、自ずと私達警察官は仲裁に入らなければならないので、現に揉めている渦中に割り込む形になります。
結果、怒りの矛先が私に転換され、攻撃の対象を警察官に向けられます。
この際、柔道をやっていた私は相手の服さえ掴む事が出来れば多少攻撃を貰いながらも簡単に転ばせる事が出来ます。
そこまで出来れば、後は人数の力で制圧するだけです。
このように、ある程度柔道が出来て相手も武術の心得が無い奴だったら、大怪我を負わせずとも簡単に制圧出来るんです。
警棒の扱いは逮捕術で習得できる
剣道って、警棒を扱う技術を向上させる為に術科科目に選ばれている訳ではありません。
どちらかと言うと「警丈」という竹刀みたいな長い棒を想定して訓練します。
一方、警棒の訓練は「逮捕術」という全ての警察官が必須科目として習得する武道で行います。
剣道みたいな防具を装着してぶん殴り合ったり、警棒や警丈、短刀でボコし合うやつです。
一応動画載せておきます。↓
逮捕術で剣道選択者と警棒でスパーリングする事もあるんですけど、そこまで強く無いです。
そりゃ人によって戦闘能力が違うので一概には言えませんが、私の経験上、剣道を選択しようが柔道を選択しようが警棒の操作スキルにそこまで差は無いです。
なので、「剣道を選択すれば警棒の操作が上手くなる」という理由で剣道を選択しても、どうせ逮捕術で警棒に特化した訓練は全員やるので、そこに固執する必要は無いです。
寝技が現場で有効すぎる
柔道を選択すると、相手をぶん投げるだけではなく「寝技」という技術も学びます。
これは、相手を押さえ込んだり関節・絞技を駆使して制圧する事に使います。
これがめちゃくちゃ実務で使えるんです。
一応剣道選択者も逮捕術である程度制圧の想定訓練やるんですが、実際暴れている人間に対しては無意味なものが殆どです。
その点寝技は、相手も自分を制圧する気で向かってくるので、より実践的な訓練が出来ます。
実際、自分よりも体格が優れている相手を制圧しなければならない状況で寝技さんには大変お世話になりました。
最悪こちらに対してめちゃくちゃ反撃してきたとしても、首固めや三角絞め極めれば無効化できるので。
初期費用が安い

これは私が柔道を選択した本当の理由です。
採用試験に合格された方なら分かると思うんですけど、柔道と剣道では最初に掛かる費用が二倍位違います。
剣道の防具が高すぎるんですよね。
一方、柔道で必要なのって柔道着と、ヘッドキャップだけです。
今思い出したので言っておきますが、このヘッドキャップってやつ暑いだけで全然効果無いです。
大外刈り掛けられて思いっきり後頭部畳にぶつけられた事あるんですけど、普通にノックアウトしました。笑
そんな話はどうでも良いですけど、とにかく入校時は金が無いと思うので、その点柔道は安いですからオススメです。
柔道を選択するデメリット

ここまで、柔道を選択する沢山のメリットをご紹介しました。
ですが、何か決断する時ってデメリットも加味して判断する事が大切です。
私はメリットだけで警察から転職先を選んだ結果、失敗しました。笑
別に警察学校の時点で柔道選択していたのに剣道へ変える事も出来ますが、はっきり言って金の無駄です。
そうならない為にも、今のうちに私が柔道を選択して感じたデメリットについても触れておこうと思います。
怪我が多い
柔道はどうしても怪我が付き物です。
実際私は乱取り中に捻挫を繰り返した結果、捻挫癖が付いてしまって今でも治らないです。
捻挫って結局靭帯が伸びてしまっている状態で、一度損傷すると手術しない限り完治しないです。
また、柔道を選択した同期生の中には稽古中、骨折した人もいます。
一方、剣道選択者って私の経験上大きな怪我をする事って少ないです。
私もやった事あるので分かりますが、めちゃくちゃ痛いです。笑
でも、全身防具で覆われていますし、攻撃は打撃のみなので尾を引く怪我はよっぽどしないです。
めちゃくちゃキツい
正直にお話ししますが、柔道はめちゃくちゃキツいです。
特に夏場は「暑中訓練」といって集中的に稽古を行う期間があります。
この時はほぼ熱中症になりながら全然倒れてくれない相手を倒さなければならないので、体力の消耗が激しいです。
これも私の経験上の話になるんですが、剣道選択者から見ても、
「柔道選ばなくて良かったわ」
と言われる位、柔道はマジでキツいです。
死亡事例がある
こちらの記事でも紹介していますが、2024年に京都府警警察学校で柔道訓練中の女性が頭を強く打って死亡する事案が発生しています。

確かに、柔道初心者の大人が無理な体勢でぶん投げたり、実力差がある相手から大外刈りされて上手く受け身が取れないと危険です。
大事故には至っていないものの、乱取り中に低く背負い投げをした結果頭から畳に落ちる同期生をこの目で見た事があります。
今考えてみてもゾッとします。
その時は投げられた側の頭頂部が畳との摩擦で10円ハゲみたいになっただけで済みました。
でも一歩間違えていたら首骨折して死んでたかもしれません。
それ位柔道って危険なんです。
それでも私は柔道をオススメします。

ここまで、柔道を選択するメリットとデメリットを紹介しました。
その上で、やっぱり私は柔道をオススメします。
先ほど紹介したように、柔道訓練中に亡くなってしまう悲しい事故が実際起きています。
ですが、武道ってどうしても危険が付き物です。
現場に出たら本気でこちらに殺意を向けて掛かってくる輩を対応する事もあります。
そこで何も出来ずにやられてしまう事は絶対あってはなりません。
もし柔道をやっていれば、そんな状況であっても武器を使わずに必要最小限度の実力行使が出来るし、実際私はやってきました。
こういった過去の経験があるからこそ、柔道がオススメだと言えるんです。
また、警察としても公務中の事故は最も避けたい事ですので、恐らく悲惨な事故が起きないよう対策は十分されていると思います。
ですので、必要以上に不安を感じず、メリットとデメリットを加味して最良な選択が出来るよう、応援しています。👍

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