ある程度大きな会社は社宅があるように、警察にも社宅があります。
その名も警察官舎。
私も警察学校卒業後、強制的に入れられた官舎で生活していました。
そして、この官舎生活を分かりやすく例えるなら地獄です。
家賃は月一万円行かない位でしたので文句は言えませんが、決して人間の住む場所ではありません。
そこで今回の記事では、私が10ヶ月間住んだ地獄の官舎生活について、お話しします。
官舎への入居は強制です。
今はどうか分かりませんが、私の時代は警察学校卒業後、強制的に官舎に入れられました。
その理由は、
「いつでも呼び出しに召集させる為」
です。
要は、最初からコキ使いまくってやろうという事です。
実際、私が新人警察官の頃は、重大事件事故や行方不明者の捜索で人手が足りなくなった時によく呼び出されていました。
と言う事で、以降の記事では強制的に劣悪官舎に住まわされた私の一年間についてお話しします。
地獄の官舎生活(引っ越し編)
私は警察官として活躍する姿を夢見て、10ヶ月間という警察学校(軟禁生活)を卒業し、晴れて新任地に配属される事になりました。
この日が迎えられる事を、心の底から楽しみにしていました。
ただ、一つネックになる物がありました。
それは何かというと、私が入居する官舎が県下でも劣悪な環境であるという噂です。
一応、卒業前に自分がどこの警察署に配属されるか知らされます。
私が配属された警察署は、第二希望を出していたところでそれなりに希望が通った形です。
担任教官から配属先を教えてもらうのですが、その時教官は私に、
「お前の官舎俺も住んでいたけど、覚悟しておいた方が良いよ。」
と一言。
この言葉が意味する事を、異動初日に私は知るのでした。
官舎と初顔合わせ
警察学校の卒業式が終わり、私は親に乗せてもらって配属先の警察署へ挨拶に行きました。
挨拶を終えた私は警務係の方に案内してもらい早速官舎へ引っ越しする事となりました。
そして、初めてこれから私が住む官舎を見た瞬間、こう思いました。
「え、嘘でしょ?」
「まさかここじゃないよね?」
と。

この画像にある建物を腐らせた感じです。
警務係の方は、
「まぁ、官舎はこんなもんよ。」
と一言告げた後颯爽と帰って行きました。
これ見た私の同期生とその親は愕然としていました。
全員が絶望している中、同期生の親さんが、
「外観は汚いけど、中に入ってみないと分からないよ!」
と、希望を抱かせてもらいました。
結果は外見以上でした。
私は警務係の方から渡された部屋の鍵を手に取り、これから私の家となる部屋に入りました。
入った瞬間私はこう思いました。
「はい、終わった。」
まず、恐らく新築当初は真っ白であっただろう砂地の壁は黄ばんでいます。
そして、台所の床は木製のフローリングになっているのですが、至る所に意味分からん黒色の斑点だらけ。
勿論終始ホコリとカビ臭が漂っています。
極め付けは、浴室。
床は当初色鮮やかであったと思われるタイルが、真っ白になっていて所々がピンク色に変色しており、排水口は前の住居者の物か分からない体毛がそのままになっていました。
当然ですが、壁はピンク色のカビだらけです。
しかも昔ながらのカチカチするタイプの給湯器です。
その後も、
・畳はすり減っていて、場所によっては凹んでいる。
・押し入れの一段目と二段目の堺にある木製の土台はささくれていて、使い物にならない。
・謎の虫が至る所に湧いている。
・キッチンの下の収納スペースには虫の死骸。
となっている状況を見て、更に絶望しました。
結果、私は前代未聞の引越し初日に大掃除をするという苦行を行うことになりました。
シャワーに関する問題発生。
この世の終わりを彷彿させる私の部屋は大掃除によって大分綺麗になりましたが、風呂場の掃除を始めようとした時にまず一つ目の問題が発生しました。
それは、水圧が弱すぎる事。
古いスーパー銭湯に行ったことある方なら分かると思いますが、シャワーを一斉に出すとめちゃくちゃ水圧が弱くなりますよね?
あれの半分位の水圧です。
しかも、まだお湯になっていない水の状態です。
風呂掃除をしようと思っても、チョロチョロとしか水が出ないので、結局キッチンの水をバケツに汲んでその水を使って掃除しました。
二つ目の問題は、カチカチ風呂のやり方が分からない事。

カチカチ風呂とは、上の画像のような風呂です。
私のような現代っ子は、電源ボタン押せばお湯が出る事が当たり前だと思っています。
というか、全ての風呂がそうだと思っていました。
なので、この意味分からん構造のシャワーを見た時困惑しました。
この時はYouTube先生に大変お世話になりました。
気になる方は、「バランス釜 付け方」とユーチューブで開いて見てください。
現代のシャワー技術がどれ程素晴らしいか分かります。
地獄の官舎生活(クレーマー編)
警察官舎って、その地域に住んでいる人の殆どからバレています。
別にバレたところでいいでしょ?と思われる方もいるかもしれません。
申し訳ありませんが、それは大きな間違いです。
何故かと言うと、警察官というだけで四六時中興味津々に見られるからです。
ましてや、万が一警察嫌いのクレーマーが近くに住んでいたらと思うと、生き辛くて仕方ないです。
お察しの方なら気付いているでしょうが、それこそ私です。
3件隣の家がめちゃくちゃ警察嫌いだった。
官舎生活が始まってから1ヶ月位経った頃、仕事や環境にも大分慣れてきました。
初めは「最悪だ」と思っていた官舎も、一ヶ月も経過すれば大体住めば都になる筈です。
結果、住んで一ヶ月経った感想は、
「相変わらず最悪だ。」
です。
そりゃ初日よりは多少住みやすくなりましたけど、シャワーの水圧が弱すぎてめちゃくちゃ長風呂になります。
そんな事はどうでも良くて、これからの官舎生活で大問題となる新事実が発覚したのです。
それが、
「近くに警察嫌いのクレーマーが住んでいる」
という事。
どうやら、過去に切符を切られた事に不満を持っており、そこから常習的に署へクレームの電話をしている情報を同じ官舎の先輩から聞きました。
それを聞いた私は、
「別に問題行動をしなければ関係ないっしょ。」
とあまり気に留めていませんでした。
「官舎に住んでいる警察官がスピード違反をしている」とクレームが。
近くにクレーマーが住んでいる事を気にしていなかった私でしたが、そんな私にも悲劇が訪れました。
それは、噂のクレーマーからまさかのクレーム事件です。
当時、同じ官舎の同期生と私の車で遊びに行こうとしていました。
いつも通り官舎の駐車場から道路に出て目的地へ行く途中、休日に一番見たくない発信先からの電話が私の携帯に来ました。
そう、警察署からです。
大抵警察署から電話が掛かってくる時は面倒事ですので、一瞬出るのを躊躇います。
そして私が署からの電話に出ると、
「お前の近くに住んでいる例のクレーマーから通報あったぞ。」
「お前がスピード違反をしているっていう通報が。」
例のクレーマーが官舎から出る私をクレーマーは追跡していたのです。
確かにプライベートといえども法定速度以上の速度を出していた私にも非はあります。
でもそんな大幅に超えていた訳では無く、法定+5キロ位です。
てかそもそも、こっちはプライベートなのに追跡してくる事がキモすぎるし、もし私がスピード違反していたとしたら、クレーマーも違反です。
と言っても事実は事実なので、楽しい思い出になる筈だった休日は出勤し、幹部から激怒される最悪な1日になりました。
地獄の官舎生活(さよなら編)
入居初日からここまで、警察組織に騙されて散々な官舎生活を強いられた私でしたが、中学や高校の同級生が住んでいるアパートに遊びに行くと、毎回思う事がありました。
「なぜ、俺はこんなボロアパートに住まなきゃいけないの?」
気付けば住んで10ヶ月経った私は、こんな生活にうんざりしていました。
そして、私は決めたのです。
地獄の官舎生活を終わりにしよう。
警務係長に報告
誰を官舎に入れるかは、警務課という課が決定しています。
断られるか心配でしたが試してみないと分からないので、私は警務係長に言いました。
「官舎から出させてください。」
と。
私の報告を受けた係長は、
「丁度警察学校から新しく赴任してくる子がいるから良いよ。」
と、案外すんなり要望を受け入れてくれました。
それと同時に、私は申し訳ない気持ちにもなりました。
何故かと言うと、私と同じ思いをする被害者が必ず生まれるから。
あんな悪徳官舎でしたが、常に満員でしたので。
という事で、身代わりを見つけた私は官舎からおさらばする事になったのです。
新しいお家はレオパレス
官舎を抜ける事が出来た私は、最高のアパートを見つけました。
その名もレオパレス。
口コミには、
・壁が薄くて生活音が聞こえてくる
・隣人が変な人
等の悪評が目立っていましたが、ぶっちゃけどうでも良いです。
そんな事気にならない位やばい所に住んでいたので。
地獄の官舎生活を乗り切った私が、レオパレスに感動した事をお伝えします。
なんと、ボタンひとつでお湯が出るんです。
私がまずビックリしたのが、風呂の綺麗さです。
ピンク色のカビは生えておらず、真っ白です。
そして何より幸せなのが、電源ボタンを押すだけで、シャワーヘッドから超高圧のお湯が出る事です。
官舎の頃なんて、銭湯や温泉に行かないと高圧お湯を味わえません。
でも今日から毎日これを味わえると思うと、心の底から感激しました。
周りを気にして出勤しなくて良い
レオパレスに住んでいる外国人やら大学生は、誰も私が警察官だなんて知りません。
近隣住民もです。
だから、人の目を気にせず堂々と外に出られる事に幸せを感じました。
官舎を出て気付いた事ですが、近くに例のクレーマーがいたり、身バレしている環境自体が私にとってストレスでした。
そのストレスがなくなっただけでも生活の充実度は大分向上しました。
彼女を家に呼べる
こんな私にも、当時付き合っていた彼女がいました。
勿論、官舎に呼べる訳ないので、なるべく「泊まりに行っても良い?」的な雰囲気にさせない努力をしていました。
その努力のお陰で私があそこに住んでいる事を知らないまま、レオパレスに引っ越す事が出来ました。
引っ越した途端、私は暇さえあれば彼女をレオパレスに連れ込んでいました。
急な変貌ぶりに彼女は困惑したかもしれません。今思えば。
ここで、皆さんが思った事を当てましょう。
「壁が薄いのに女なんて連れ込んで大丈夫なの?」
でしょ?
ご安心ください。
レオパレス様は、壁が薄い事に関する悪評が多すぎて、「流石にまずい」と思ったのか今では改修工事を実施済みで、壁薄問題は解決しています。
実際、「女性の喘ぎ声がうるさい」というクレームは一度も来ませんでした。
まとめ
今回は、私の官舎生活についてお話ししました。
未だに私が住んでいたような、全く修繕する気がない悪徳官舎は存在します。
恐らく共感していただいた警察官の方もいらっしゃると思います。
確かに、公務員は税金で飯食っているので官舎に対して不満を口に出来る立場では無いかもしれません。
でも、あれはマジで酷すぎます。
古いのは百歩譲って許します。
でも、あんなに汚くなるまで放っておく警察官の常識を疑います。
どんなにボロアパートでも退去時は誰だってある程度綺麗にしていきます。
よく言われるのが、「警察の常識は社会の非常識」という言葉です。
警察組織を抜けた人間として、ごく一部の人間に対してですが当てはまっています。
でもそのお陰でレオパレスという最高のアパートに住む事ができたので、良しとします。
そういう背景もあって、単身赴任する方にレオパレスを勧める理由を書いていますので、興味のある方は一読ください。


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