私が警察官時代に交通違反取締まりや職務質問をしていた時、「どうせ点数稼ぎなんでしょ?」と言われる事がありました。
結論から申し上げますと、努力目標(ノルマ)という形で件数が設定されています。
しかし、警察の組織は頑なにノルマとは認めません。
今回の記事では、元警察官の私が「警察の仕事は点数稼ぎ?」という疑問に対しての回答とその理由を解説します。
結論:警察にノルマ(努力目標)は存在する
元警察官を騙る方々がオブラートに包んで表現していますが、警察組織にノルマはあります。
よくある言い訳として、
「ノルマじゃなくて努力目標だ。」
とか、
「達成できなくてもクビにはならない。」
というものが散見されます。
でも実際は、設定されたノルマに対する達成度によって業務評価されます。
クビになる事が無いだけで本質的にはノルマと言っても良いと思います。
何故警察は「ノルマではない」と言うのか
私は現職時代も、
一般の方から「ノルマはあるんですか?」と聞かれた際に、
「ありますよ」と素直に答えていました。
しかし、恐らく多くの警察官は
「ノルマはありません」と答えると思います。
その理由は、先ほども触れた通り、
ノルマではなく、努力目標という建前になっているからです。
実際、努力目標を達成できなかったとしても、
減給されたり、クビになることはありません。
ただ、私個人としては、
これは実質的にノルマと同じものだと感じていましたし、
多くの警察官も内心では同じ捉え方をしていると思います。
さらに言えば、
一般の方に対して「ノルマはありますよ」と正直に答えたところで、
それがプラスに働くことはまずありません。
むしろ、
「やっぱり点数稼ぎなんだろ」と反感を買うだけです。
そのため、現場で
「ノルマはあります」と馬鹿正直に答える警察官は、
ほとんどいないのが実情です。
反則金が予算に組み込まれている現実

日本の警察官全員が、
「交通事故を一件でも減らすために」
言われなくても積極的に交通取り締まりを行う人ばかりであれば、
件数目標のようなものは設定されないはずです。
しかし、現実はそうではありません。
そのため、交通取り締まりには一定の件数目標が設定されています。
さらにあまり知られていませんが、
交通反則金は、あらかじめ国家予算に組み込まれています。
毎年、
「警察の交通取り締まりによって、これくらいの反則金が徴収されるだろう」
という金額が見込まれたうえで予算が組まれているのです。
その結果、
国から都道府県警察へ、
都道府県警察から各警察署へと、
段階的に努力目標(実質的なノルマ)が設定されることになります。
職務質問にもノルマ(努力目標)はある。

警察官は、仕事として警察官をやっています。
一般企業と同じように、
仕事に消極的な人もいれば、
昇給や評価のために一生懸命働く人もいます。
警察官も例外ではありません。
一生懸命仕事をする警察官は、
自分の仕事ぶりを評価してもらうため、
より多くの犯罪者を検挙しようと懸命に働きます。
そのため、警察官の仕事ぶりを評価する指標として、
それぞれの業務に努力目標が設定されています。
職務質問も、警察官の評価対象となる業務の一つです。
職務質問(以下、職質)における評価は、
刑法犯の検挙(窃盗・詐欺など)や、
特別法犯の検挙(覚せい剤取締法・大麻取締法など)の
件数が重視されます。
だからこそ、
YouTubeや「警察24時」などで見かけるように、
警察官は積極的に職務質問を行うのです。
ただし、職務質問を数回行った程度で
すぐに犯罪を検挙できるわけではありません。
私の体感では、
100回職務質問を行って、ようやく1件検挙できるかどうか
という割合でした。
文句を言われることも多く、
精神的にかなり負担の大きい業務ですが、
警察官は努力目標を達成するため、
日々職務質問に励んでいます。
また、職務質問は犯罪の検挙だけでなく、
素行不良の少年少女を補導し、
健全育成につなげる目的もあります。
もちろん、こうした少年補導についても、
同様に努力目標が設定されています。
もし、警察組織にノルマが無かったら?
犯罪・事故被害者のために、
プライベートや家族との時間を削ってまで
仕事をしている素晴らしい警察官がいる一方で、
残念ながら、
ほとんど仕事をせず、
給料だけを受け取っている警察官がいるのも事実です。
こうした警察官は、
業界用語で「ゴンゾウ」と呼ばれています。
こうした存在を放置しないためにも、
警察組織にはノルマ(努力目標)が必要なのだと、
私は考えています。
もしノルマがなければ、
組織として最低限の業務水準を保つことができず、
結果的に市民の不利益につながるでしょう。
その意味で、
ノルマは理想的な制度ではないものの、
現実的には必要な仕組みだと思います。
まとめ
今回の記事では、「警察の仕事は点数稼ぎなのか?」という疑問について解説しました。
警察の業務には、それぞれ努力目標が設定されており、
警察官はその目標を意識しながら日々業務に取り組んでいます。
その意味では、
点数稼ぎと言われれば、そう見えてしまう側面があるのも事実です。
一方で、警察官の中には、
誇りと使命感を持って業務に向き合っている人もいれば、
「公務員として安定しているから」という理由で
仕事を続けている人がいるのも現実です。
後者のような警察官を組織として機能させるためには、
響きは良くありませんが、
ノルマ(努力目標)という仕組みが必要だと、私は考えています。
私自身、警察官時代には
「努力目標なんておかしい」と感じたこともありました。
しかし実際には、
努力目標が設定されていることで犯罪は検挙され、
結果として治安の維持につながっているのも事実です。
理想を言えば、
ノルマがなくても全ての警察官が高い意識を持って
職務に専念すべきでしょう。
ただ、警察官志望者が減少している現代においては、
適性に疑問の残る人でも警察官になれてしまうという
厳しい現実があります。
そうした状況を踏まえると、
警察のノルマは「理想的な制度」ではなく、
現実的に必要とされている制度だと言えるのではないでしょうか。

コメント
コメント一覧 (2件)
自分は人相が悪いです。それが自分でも解っている為、交通ルールは人一倍、気をつかっています。が、人相が悪いだけで、警官の点数稼ぎのネタになってしまいます(笑) 去年に淀川区に引っ越しましたが、淀川区は基本的に平和なのでしょうか、月に何度かは呼び止められます。西成区萩ノ茶屋に住んでいた時は、警官自体素通りでした、反対に笑顔で挨拶されていました(笑) やはり、地域の治安の良し悪しが警官の点数稼ぎに影響するのでしょうか?
点数稼ぎに影響される訳ではありませんが、基本的に治安が悪い場所の方が職質検挙出来る確率が上がるのは事実です。