警察官はグロ耐性が必要?【実は、警察官になる前私はグロいのがめちゃくちゃ嫌いでした】

これから警察官になりたいと思っている方は、警察官の勤務内容をよく調べていると思います。
その中で、遺体の取り扱いや人身事故等がある事を知って、
「警察官ってグロ耐性が無いと厳しいのかな?」
と感じているのではないでしょうか?
結論から申し上げますと、現段階でグロ耐性が無くてもやっていけます。
実際、私自身グロ耐性は低い方でしたし、同期生にも得意な人は極僅かでした。
それでも、警察官を続けていれば慣れるものです。
ただ、そうは言っても、グロ耐性が求められる現場がどういったものか分からないと心配だと思います。
ですので、以下の記事ではグロ耐性が求められる現場及び、何故グロ耐性が無くても警察官をやっていけるのかを詳しく解説します。
警察官の仕事で直面する、グロ耐性が求められる現場
車に轢かれた動物の処理

知らない方が多いかもしれませんが、道路上に動物の死骸があった時、まずは110番通報が入ることが多く、その処理は警察官が行います。
死骸の最終的な処分は、国道、主要地方道、市道の管理者である国土交通省・県土木事務所・市役所が行いますが、道路上から排除するのは警察官です。
なぜなら、道路上に死骸があるのにそのまま放置していたら、そこを通過した車が事故に遭うかもしれないからです。
警察官は動物の死骸の110番通報があった際は、その動物を安全な場所まで移動させた後、管理者に連絡を行います。
その為、乗用車やトラックに轢かれて原型を留めていないような動物の死骸であっても、警察官は自らの手で安全な場所まで移動しなければいけないのです。
その光景は恐らく想像していただければ分かるように、かなりグロテスクな状況です。
このような現場は警察官なら頻繁に遭遇します。
電車による人身交通事故現場

電車ホームで人身事故が発生した際、警察官は事件性の有無を確認するために臨場しなければいけません。
なお、線路上に飛び降りた方が生きており、消防隊員より先に現場についた場合は、救命措置を警察官が行わなければなりません。
ただ、電車による人身事故の大半が、身体の損傷が激しいです。
そんな中で救命措置を行うのはかなり勇気のいることですし、精神的負担が大きい業務です。
また、亡くなっていた場合でも、バラバラになった遺体を消防隊・車掌・警察官で探さなければいけません。
この作業がかなり精神的に来ます。
自動車による交通事故現場

電車による人身事故のみならず、警察官はもちろん自動車よる交通事故現場にも臨場します。
重症・重体事故又は死亡事故は、頻繁に起きるものではありませんが、警察官を続けていると必ず対応しなければなりません。
こちらも電車による人身事故と同じように、意識や呼吸がある場合は、負傷者がどんな状態であっても救命措置を行う義務があります。
また、主な救出自体は救急隊の方が行います。
車同士の交通事故というのは、簡単に言えば猛スピードで走行する鉄同士の衝突ですので、その鉄の塊の衝突に巻き込まれた人間の損傷は激しいです。
そんな中でも、警察官は冷静を保って淡々とやるべき仕事を行わなければいけないので、強いメンタルを持つ必要があります。
また死亡事故の場合後日遺体の死因を特定する為、詳しくは後ほど説明しますが、司法解剖を行います。
そこでもかなりグロテスクな光景を目の当たりにすることになります。
検視・司法解剖

検視というのは、病院以外で亡くなった遺体に関して、事件性の有無を確認する業務のことです。
例えば、飛び降り自殺、自宅内での孤独死が挙げられます。
また、検視をする遺体の中には、死後日数が経過していたり猛暑の中長期間発見されなかった状況下でかなり腐敗している事があります。
腐敗していると、食用肉と同じように悪臭が発生しますし、細胞が死んで肉がドロドロになります。
その状態の遺体を検視しますので、普通のメンタルでは到底耐えられません。
実際、私も初めて腐乱死体を取り扱った時は吐き気を催して仕事どころではありませんでした。
また、検視を行なってもなお死因が特定できない場合、大学病院で司法解剖を行います。
司法解剖自体は大学病院の教授が行うのですが、警察官は解剖中の状況を撮影したり補助を行います。
解剖はその名の通り遺体にメスを入れて臓器を確認しますので、その光景を警察官は見ることになります。
災害現場における救助

能登半島地震や東日本大震災のような大災害が発生した際、警察からは検視を行う検視官や、被災者を救助するために機動隊が出動します。
もしそのタイミングで検視官なり機動隊員に配属されていたら、出動しなければなりません。
そこでは、瓦礫に埋もれている方々の救助や、津波で流されてしまった遺体の回収を行います。
出動中のほどんどは断水と停電によりまともな生活を送れていない中、救命救助活動を行い、悲惨な遺体の回収作業を行うのは精神的負担は大きいです。
グロ耐性が無くても警察官をやっていける根拠
上記に5つグロテスクな状況を抜粋して説明を行いました。
正直に記載しすぎて引いてしまった警察官志望者もいるかもしれません。
しかし、グロ耐性が無くても警察官になることは可能だと断言できます。
その理由は、この記事を書いている筆者自体グロ耐性皆無だったからです。
では、なぜグロ耐性が無くても警察官をやっていけるのでしょうか?
それは、何度もグロテスクな現場を経験することで、嫌でも慣れるからです。
特に、先ほど挙げた5つの状況については、警察官になってから最初に配属される交番勤務でかなり経験します。
県警や配属された交番によって差はあるかもしれませんが、私は交番時代にかなり経験しました。
もちろん、全くグロ耐性の無かった私は、慣れるまで苦労しました。
腐敗している遺体を取り扱うのは本当に嫌でしたが、何度も経験していくうちに慣れていきました。
私の同期に私よりもグロ耐性がない奴がいましたが、今では刑事として日々検視を行なっています。
もしかしたら、「自分グロいの苦手だから警察官は諦めよう」と思っている人もいるかもしれませんが、何も恐れる必要はありません。
何事も、経験を重ねて成長すればできなかったこともできるようになり、グロ耐性も自然と付くようになっていきますから。
まとめ
今回の記事では、今後警察官になろうとしている人に向けて、「グロ耐性が無くても警察官にはなれるの?」という疑問について、元警察官の経験を基に解説をしていきました。
記事で説明した通り、普段の生活では遭遇することのないような現場を経験することになります。
しかし、何事も経験というように、警察官を続けていけばグロ耐性も付いてきますので、安心してください。
ただ、警察官になりたいという気持ちより、「どうしても無理」という気持ちの方が現段階で勝ってしまっているのなら続けることは難しいかもしれません。
今回の記事でお話しした事以外にも、警察の仕事は厳しい面が沢山あります。
退職した私が言うのもおかしいですが、なにがなんでも絶対警察官になってやる!という高い志さえあれば警察官になる事自体は可能だと思いますので、頑張ってください!!