警察官に向いている人の共通点|辞めた元警察官が語る“本当の適性”

皆さんは、警察官に向いている人とは、どんな人だと思いますか。

法律知識がある人。
体力や腕力がある人。
正義感が強い人。

私も、警察官になる前はそう思っていました。

そのつもりで警察官になりました。

ですが、私は辞めました。

能力が足りなかったというより、
そもそも警察という組織にうまく適応できなかったのだと思います。

この記事では、現場を経験した立場から、
私が考える「警察に向いている人」についてお話しします。

目次

警察組織の構造

警察という組織には、一般企業とは異なる独特の構造があります。

この前提を知らないまま入ると、
仕事そのものよりも“組織との相性”で苦しむことになります。

課や異動先を自由に選べない

警察では、配属や異動は原則として組織側が決定します。

刑事、交通、生活安全など、それぞれに定員があり、希望しても必ずしもその部署に行けるわけではありません。

努力を積み重ねていても、ポストが空かなければ異動は叶いません。

勤務地も同様です。

職種も勤務地も、自分の意思だけでは決められない。
これが前提です。

副業は禁止されている

警察官は公務員です。

職務専念義務があるため、原則として副業は禁止されています。

本業以外で収入を得る選択肢は、基本的に持てません。

努力と報酬は比例しにくい

警察官の給与は階級や等級によって決まります。

昇任すれば収入は増えますが、日々の努力や業務量がそのまま給与に反映される仕組みではありません。

同じ階級であれば、仕事量に差があっても大きな収入差は生まれにくいのが現実です。


これらは良い悪いの話ではありません。

警察という組織が、そういう前提で成り立っているというだけです。

自由度は高くありません。

成果がそのまま報酬に直結する仕組みでもありません。

それでも続けられるか。

それでも納得できるか。

ここが、最初の分岐点になります。

警察という仕事がどれほど精神的負荷の高い職業なのかについては、別記事で解説しています。
→【警察官はストレスの多い職業です

私が警察を楽しいと思えなくなった理由

機動隊4年目の頃、私はプライベート時間を使って刑事課の手伝いに行っていました。

非番や休日を使い、事件の初期捜査や取り調べの補助を続けていました。

スキルが身についていく実感はありました。

ですが、続けるうちにある疑問が浮かびます。

「本当に、自分は刑事になりたいのか?」

本気でなりたいなら、もっと早く動いていたはずです。

交番時代から積極的に動いていたはずです。

でも実際は、どこか惰性でした。

休日を使っていても、心はそこまで熱くなっていませんでした。

スキルが上がることに喜びはあっても、
仕事そのものに没頭している感覚はなかった。

そして次第に思うようになります。

「この仕事じゃなくてもいいかもしれない」

刑事という花形部署に行けたとしても、その考えは変わりませんでした。

その時点で気づいていたのだと思います。

自分は警察という仕事を、心から楽しめていないと。

警察に向いている人とは

私が思う「警察に向いている人」は、

思い通りにならない環境でも、疑問を飲み込める人です。

理不尽な命令でも、「そういうものだ」と割り切れる人。

努力が正当に評価されなくても腐らない人。

自分の時間が削られても、組織の都合を優先できる人。

そして、

「なぜ?」と考えすぎない人。

警察という組織は、個人よりも組織が優先されます。

そこに違和感を持たず、

むしろ安心できる人は向いています。

逆に、

自分の時間を大事にしたい人。

成果と報酬の一致を求める人。

理不尽に疑問を持ってしまう人。

そういう人は、能力があっても苦しくなります。

私は後者でした。

能力の問題ではありません。

価値観の問題です。

警察の業務範囲と現実については、こちらも参考にしてみてください。
→【警察は何でも屋じゃありません

向いていなくても、ダメではない

ここまで読んで、

「自分は向いていないかもしれない」

そう感じた方もいるかもしれません。

でも、それは悪いことではありません。

警察という仕事に向いていないというだけで、

人として劣っているわけでも、努力が足りないわけでもありません。

私は、楽しくない仕事を続ける人生を選びませんでした。

それだけです。

警察の中でやりがいを見つけられる人もいれば、

外の世界で自分の力を発揮する人もいる。

大事なのは、

世間的に正しい選択ではなく、

自分が納得できる選択かどうかだと思っています。

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この記事を書いた人

元警察官。警察組織の内情や、
理不尽な労働環境で消耗しないための考え方を発信しています。

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