近年、少子高齢化と働き方の多様化等の影響によって警察官の志望者数が減っています。
実質的には、警察官というよりも公務員自体を目指す人が減っています。
後程データを元に解説しますが、2023年度の警察官採用試験志望者数は2010年の3分の1という結果となっており、これは人口減少とかそういう問題では無く、別の理由があると私は思っています。
そして、警察官を目指す人が減る事によって生じる大きな問題は二つあります。
それは、無能警察官と不祥事が確実に増える事。
因果関係が証明されている訳ではありませんので、完全に個人的意見ですが確信を持っています。
何故そう言えるのか、元警察官の私が順を追って解説していきます。
深刻な警察官志望者数の減少
冒頭でも解説した通り、現在の日本警察における志望者数の減少は深刻です。

(東京新聞から引用)
こちらの図は警視庁のものですが、一目見て受験者数が減少している事が分かります。
また、2010年の採用人数が2000人となっているのに対し、2023年はその2分の1である1000人にまで減少しています。
関心を持っていないと知らない情報ですが、公表されているデータを見ればこの異常さが分かります。
これによって今後警察官の数自体が減少する事は一目瞭然ですが、それと同時に生じる問題はが冒頭でも触れた通り
無能警察官と不祥事が間違いなく増えるという事。
この二つについて、詳しく解説します。
無能警察官が増える根拠
私が約7年間警察官として勤務して思ったのは、一生懸命職務を全うする警察官が大多数な一方で、マジの税金泥棒が結構いるという事です。
その異常さは退職してからより感じました。
警察官は公務員ですので、良くも悪くも課せられたノルマや業務をやっていれば毎月給料が支払われますし、その給料は勤続年数や昇任によって増えていきます。
私は在職時それが当たり前の事だと思っていましたので、何の有り難みも感じていませんでした。
でも退職してから初めて当時相当恵まれていたんだと気付かされました。
現在私は農家として仕事をしていますが、当然週休二日制ではありませんし自然相手ですので勤務時間も定時なんてありません。
死に物狂いで働いたところで貰える給与は警察官時代より遥か低いです。
この経験から一層強く思ったのが、仕事をしないor仕事が出来ない警察官がめちゃくちゃ多い事。
私が所属していた警察署でも上記のような警察官は結構いました。
こういう警察官は、先程紹介したように最低限の仕事だけやって給料はガッツリ貰います。
はっきり言って仕事を舐めています。
そして、警察官を目指す人が減る事によってこういうゴンゾウ警察官は増えると私は考えます。
その理由は2つありますので、それぞれ解説します。
倍率が下がる
受験者数が減少した事によって生じる問題の一つが、倍率が下がる事。
これの何が問題なのかというと、ふるいに掛ける人数が減ってしまう点です。
一人前の警察官を生み出す過程として、
・警察官採用試験
・警察学校
の二つでふるいに掛け、不適合者を脱落させていくシステムを採用しています。
でも受験者数が減少するという事は、ふるいの網目を広くせざるを得なくなります。
結果、本来落とすべき人材も採用しなければならなくなり、これこそが無能警察官を生み出すキッカケとなるのです。
辞めさせる訳にはいかなくなる

上記で示した図にあるように、警察官採用人数は2010年に比べ2023年は10分の1まで減少しています。
警察官一人に対する負担は増えています。
そうなると、貴重な人材を簡単に手放す訳にはいかなくなります。
ただでさえ、現在でも警察官が一人いなくなっただけで業務が停滞してしまいます。
私が交番勤務時代にある事情で一人長期休業する事になりました。
当時たった一人いないだけでしたが、常に誰かが空いた穴を埋めなければならず常に人手不足になっていました。
事案が多発した時なんかは最悪でしたね。
このように、現状でもかなりギリギリの人員で回している警察組織ですが、今後更に人手不足が続くと間違い無く業務が回らなくなる日が来ると私は思います。
そんな中、パワハラや多忙が理由で警察官が辞めてしまう状況が組織としては最もダメージです。
だからこそ、従来のような厳しい指導方法はできませんし、パワハラなんてもっての外です。
結果、多少成績が悪かったり勤務態度が悪い警察官がいたとしても辞めされなれなくなる可能性が高いです。
現在でも無能警察官って結構いますけど今後は間違いなく増えると私は思っています。
警察官の不祥事が増える理由
警察官の人手不足が不祥事を引き起こす理由は単純で、警察官として求められる倫理観を持ち合わせていない人材を採用しなければならなくなるからです。
連日報道されている警察官の不祥事を見て貰えば分かりますが、10代20代前半の巡査巡査長が引き起こしたものが多いです。
特に警察学校在校中の警察官の不祥事が近年目立つ印象です。
当然ですが、警察官の中で最も不祥事を引き起こしやすい時期は警察学校在校中です。
何故かと言うと、卒業して一人前の警察官として勤務を始めたら社会的常識が身についたり業務的責任、家庭ができれば経済的責任も負う事になるので人生を棒に振ってまで不祥事を働こうなんて思わなくなります。
それに対し、警察学校に入る子達はついさっきまで高校や大学で生活していたただのガキです。
それがいきなり縛りのキツい警察学校で生活をする訳ですし、まだ警察官としての自覚が乏しい事が原因で無責任な不祥事を引き起こしてしまうのです。
それが今後、言い方変えれば誰でもなれてしまう警察官になれば、自ずと不祥事は増えると思います。
適正の無い警察官が今後警察組織を循環してしまう事で、全体的にも不祥事が増えてしまうんじゃ無いかなと私は危惧しています。
そもそも何故警察は不人気になったのか
警察官というよりも公務員を目指す人が近年減少傾向にあります。
その中でも警察官の不人気は顕著だなと感じています。
実際私は警察官を辞めていますので、その理由はなんと無く分かります。
公務員自体の志望者数が減少した理由については検索すれば出てきますので、ここでは自身の経験を元に警察官の人気が減少傾向にある理由について解説します。
不祥事が世間にバレ始めた

近年、警察官の不祥事が明るみになっています。
北海道警察の警察官と容疑者ズブズブ問題や、鹿児島県系の隠蔽工作。
更には新人警察官の飲酒事故や盗撮等、不祥事のバーゲンセール化しています。
一昔前、警察はヤクザとの癒着や自作自演の拳銃検挙等で世間からの信頼を一度失っています。
そこから現在までイメージを回復させるために奮闘してきました。
そこから一転、現在警察に対する世間の評価は最悪です。
わざわざ不祥事が連続している組織に人生を預けたいと思う人はあまりいないと思いますし、もし私が現在就活生だとしたら敢えて警察官という道を選ばないです。
メディアに警察官の職務状況が露呈されている
一昔前だと、警察官の職務状況は警察24時を見て知る事が一般的でした。
実際私も警察24時を見て「警察官かっこいいな」と思いました。
それもキッカケで警察官になった部分もあります。
でも、現在はYouTubeやTikTokで職務場面を簡単に誰でも観えるようになっています。
そしてこれらの動画は、マイナスなイメージを視聴者に与えるものが圧倒的に多いです。
その中でも最も多いのが職質動画。
この動画が結構面白くて、元警察官の私でさえ
「こんな職質許されるの?」
と思うものもあります。
SNSの普及によって本来隠したい部分を誰でも観られる時代になってしまったのも、警察離れの原因だと私は考えます。
命の危険を伴う仕事
富山県警の交番襲撃事件や長野県警の警察官射殺事件等、他にも警察官を狙った事件は近年増加傾向にあります。
また、大々的に報道されていないだけで警察官が負傷する事件事故は頻発しています。
私は、警察官が日本で一番嫌われている職業だと思っています。
普段の勤務でも、感謝される事より罵倒される事の方が圧倒的に多いです。
それもその筈で、先ほど紹介した通り現在の日本警察は不祥事の連続で信頼度はガタ落ちです。
尚且つ業務の特性上、犯罪検挙や交通違反検挙等で恨みつらみを買う事は日常茶飯事。
そりゃ嫌われて当然です。
そもそも警察官はトラブルに対して積極的に首を突っ込む仕事ですので、自ずと負傷する危険性は高いです。
今後警察官の不祥事は増えていくでしょうから、比例して警察官に対して危害を企てる人も増えると私は思います。
勿論ただの個人的感想ですが。
警察官の人手不足が引き起こす実務上の問題
ここまでは、警察官の人手不足が引き起こす客観的な観点から見た問題について解説していきました。
無能警察官や不祥事の増加は組織にとっても国民にとっても大きな問題です。
しかし、問題なのはこれだけではありません。
警察官の数が減る事によって、組織内部の観点から見ても様々な問題が発生すると予想されます。
ここでは、実際に警察官として勤務していたからこそ分かる問題点についていくつか紹介します。
交番・駐在所の廃統合

交番や駐在所は、警察署管内で発生した事件事故に対する初動警察活動や、犯罪検挙・交通違反取り締まり、管内実態把握の為巡回連絡等の警察活動を行う地域警察官が拠点を置く警察施設です。
どんなに優秀な警察官でも、警察学校を卒業したら一番最初に配属される場所です。
世の中には様々な犯罪や事故が発生していますが、通報を受けてから一番最初に臨場するのは基本的に交番員や駐在所員です。
この存在があるおかげで、内勤(刑事、生活安全、交通等)員は円滑な捜査を行えていると言っても過言ではありません。
それほど重要な警察施設は、現在減少傾向にあります。
今の所、その理由は施設の老朽化と人口減少が挙げられています。
確かにその通りで、現在老朽化した交番が軒並み改修工事されていますし、農村部の過疎地における人口減少は著しいので正直必要のない駐在所があったりします。
私が所属していた警察署でも、ど田舎の駐在所は廃止され交番と合併していました。
ところが今後、警察官の人手不足が進めば本来必要である交番に人員を回す事が出来ず、地域警察官の業務負担が増えてしまう可能性があるのです。
実際、私が交番勤務していた時でさえ仮眠時間も寝れずにオールで当直勤務に従事する事も珍しくありませんでした。
これは私が繁華街で勤務していたという事情もあるかもしれませんが、交番駐在所に充てる警察官の数が減少してしまうと、警察官一人当たりに掛かる負担は更に重くなります。
そんな事になってしまったら、どう考えても働き方改革なんてできたもんじゃありません。
事件事故処理が追いつかない
今は無き警察24時で放送されるのは、警察官が犯罪者を検挙する場面やガサの密着です。
映像だけ観ればとても楽しそうな仕事ですが、実際はそんなに甘くありません。
事件を認知した段階で被害届や届出人等の取り調べを行わなければなりませんし、犯人発覚まで到達する過程においても信じられない位膨大な捜査資料を作成します。
勿論、犯罪の軽重によって業務負担は変わってきますが、基本的に手持ち事件が無くなる事なんて滅多にありません。
それでも法律によって送致しなければならない期日が決まっていますから、現職の警察官は時間とデスクワークに追われて毎日懸命に働いています。
中には耐えきれず内勤からリリースを申し込む人もいる位です。
それ位所属によっては内勤警察官の数が足りていないのが現状です。
今後警察官の数が更に減るとなると、事件事故の処理スピードは確実に遅くなります。
日本人の人口減少に伴って犯罪発生数が減ったとしても、現在日本人に代わる外国人労働者の移民が増えています。
既に文化や倫理観の違いによって、在日外国人による犯罪事故が後を経たない状況です。
そうなると、自ずと警察が介入するシチュエーションは増えます。
結果、本来必要とされる警察官数に達しないまま業務を遂行しなければなりません。
働き方改革なんて夢のまた夢です。
残業の増加・休暇取得の減少
この問題に関しては、上記と被りますが、警察官の業務負担率が上がるので超過勤務時間は増えますし、休暇を取得し辛くなります。
私が警察官として勤務していた時でさえ、一人の警察官が急に休んだだけで大打撃でした。
辛うじて署員でフォローし合いながら休暇を取得していました。
また、公務員ですので残業はなるべくしないよう幹部から指示を受けていました。
でも実際のところ、業務の数は変わらない訳ですから申告する超過勤務の時間を減らしただけで、実際に残業した時間は変わらないです。
どうせ超過勤務時間をそのまま報告したところで、幹部から削られてしまいますので。
このような現状がある中、警察官の数を減らしても犯罪発生数が減るとは限りません。
もし業務数が変わらないのに警察官の数だけ減ってしまうような事があったら、残業は増えますし簡単に休暇を取る事が叶わなくなります。
警察官も人間ですから、組織に対して不満を抱くようになるでしょうし、私のように中途半端に退職してしまう人も増えてしまうんじゃないかと私は思います。
まとめ
今回は、警察官の人手不足が引き起こす深刻な問題について元警察官目線で解説しました。
私は現職時、マジで税金泥棒のような働かない無能警察官を沢山見てきました。
こういう奴がいる事によって、真面目に働いている警察官が馬鹿を見ます。
今後も倍率は下がっていくでしょうから、適正のない警察官も増えると思います。
若しくは、倍率は維持して採用人数を更に減らすかの二択です。
どちらにしても、組織にとって痛手なのは変わりません。
そうならない為にも、警察の魅力をより伝えていく広報活動が重要になってくると私は思います。

コメント
コメント一覧 (2件)
「また、2010年の採用人数が1万人となっているのに対し、2023年はその10分の1である1000人にまで減少しています。」
いや採用人数グラフは右のメモリだから2000人から1000人の2分の1でしょ
警視庁の人数が約4万人なのに新規で採用1万人って時点で自分で書いてておかしいと思わなかったのか?
ご指摘ありがとうございます