一時停止違反しても注意のみで済む場合はあるの?【元警察官が実情をぶっちゃけます。】

車を運転している以上、警察官に切符を切られた経験のある方は多いと思います。

その一方で、一時停止違反で止められたにも関わらず注意のみで済んだ方も少なからずいると思います。

実際、一時停止違反のみならず他の違反でもいわゆる「指導」で終わるケースはあります。

そのケースについて今回の記事では解説していきます。

目次

違反したのに指導で済む理由

本来、警察官は違反を現認したらどんな状況であろうと切符を切るべきです。

しかし、場合によっては切りたくても切る事が出来ない状況が4つあります。

それぞれ詳しく解説していきます。

現認が不十分だった場合

基本的に二人の警察官で違反を現認し、切符を切ります。

白バイ隊員や一人でカブに乗って取り締まりをする場合は別ですが。

そして、取り締まりというのは警察官の現認のみで行われます。

その現認が完璧だと確信した状況になって初めて切符を切るのですが、警察官も人間ですので見間違える事もあります。

そういう時は、念の為違反者を停止させて、

あそこの一時停止止まりましたか?

と質問する事があります。

もしそこで認めたら切符を切りますし、

止まりました。

と否認されればこっちも自信がないので、指導で終わらせます

稀に、現認がめちゃくちゃなのに際どい違反についても無理やり切符を切る警察官もいますが、間違いなく苦情に発展しますし、不成立になる場合もあります。

普通の警察官はそういった面倒な状況にしたく無いので、現認に自信がなかったら切符を切る事無く指導で終わらせる事があるのです。

仕事をサボりたい警察官の場合

仕事を出来るだけサボりたいと思っている警察官は、相手がゴネて来た時に否認事件として処理するのでは無く、指導で終わらせる事があります。

どういう事かというと、相手が認めている場合は切符を作成するだけで終わります。

でも違反者が否認した場合、刑事事件として処理しなければならず、そうなると時間と手間が掛かります。

そんな面倒な事をする位なら、見逃して指導で済ませる訳です。

信じられない話かもしれないですが、本当にある事です。

良くも悪くも、切符を切るか否かは警察官の裁量で決まります。

違反で止める分には記録としては残りません。

なので、自分の意思で切らない選択をする事が出来てしまうのです。

だからこそ、仕事をしたくない警察官は否認事件として処理するのが面倒だから、指導で終わらせます。

この話を聞いて、

そんなの弱いものいじめじゃん。

と感じたかと思いますが、私もそう思います。

でも、警察官も人間ですので、こういうゴミ人間がどうしても混じってしまうのです。

相手の言い分に納得した場合

例えば、横断歩行者妨害の違反を現認した警察官が違反者を停止させたとします。

違反者が否認した場合は本署の交通課に指揮伺いを立てる事がルールとなっています。

そこでは、違反状況を交通課員に説明するのですが、交通課員が否認事件として処理するのは難しく、指導で済ませるよう指示する事があります。

そうなると、現場の警察官も無理やり否認事件として処理する事が出来ないので、指導で済ませます。

また、交通課員に報告する前段階で違反者の言い分に納得するケースもあります。

警察官側から見ると、歩行者が横断歩道を渡ろうとしているように見えたとしても、違反者から見たら歩行者が渡ろうとしているなんて見えない状況もあり得なくは無いです。

警察官次第ですが、この言い分に納得すれば指導で済ませる場合もあります。

私が指導で済ました事例

そんな私ですが、切符を切る事無く指導で済ませた経験は何回かあります

その経験についてご紹介します。

シートベルト違反

最初に紹介するのが、シートベルト装着義務違反です。

当時、私は国道上をパトロール中でした。

すると、一台の車の助手席側の同乗者がベルトを完全にしていませんでした。

位置関係としては、違反者が第一通行帯でパトカーが第二通行帯です。

違反を現認した私は、その場で停止を求める事無く、前方の信号が赤でしたので、信号停止中に声かけをする事にしました。

しかし、声かけ時にはベルトがしてあり、運転手と同乗者は、

最初からベルトしていました。

と違反について認めませんでした。

確かに私はベルトをしていない状況を現認したのですが、

①声かけ時にはベルトがしてある。
②助手席側はパトカーから見にくい位置。


の二つの要因から判断し、指導で済ませる事にしました。

ほぼ間違い無く私の現認は正しかったと思いますが、状況からして切符を切るのはリスクがありました。

声掛け時にベルトをしていなければ、問答無用で切っていました。

対向車の信号無視

二個目に紹介するのは、対向車の信号無視です。

基本的に、信号無視で切符を切る時は、

・信号機が赤色である事。
・停止線手前で赤色になっている事

の二つが必要な条件です。

間違いなく信号無視をしたと思える状況であっても、この二つを確認できていなければ不成立です。

で、私が指導で済ませたのが対向車の信号無視。

パトカーの正面の信号機とこの時対向車から見た信号機は同じタイミングで色が変化する信号機です。

なので、パトカー側の信号機が赤なら向こうも赤です。

そのような状況で、対向車が思いっきり見切り発進しました。

反射的に私はサイレンを鳴らしてその運転手を路肩に停止させ、声かけをしました。

運転手は、

すみません。急いでいました。

と違反を認めていました。

しかし、咄嗟に違反者を停止させたものの、私は対向車側の信号なんて確認できる訳ありません

もしここで切符を切ったとしても、後に違反者が否認する事になれば間違いなく現認不十分です。

ですので、私は事情を説明して切符を切りませんでした

違反者からしたらラッキーだったと思いますが、仕方ありません。

進路変更禁止違反

3つ目にご紹介するのが、進路変更禁止違反です。

あまり聞き馴染みの無い違反名かもしれません。

簡単に言えば、車線変更が禁止されている場所で車線変更をする違反です。

3車線ある道路をパトカーで走行中、この違反をした車両を現認しました。

ですので私は違反車両を路肩に停止させ、声掛けしました。

すると違反者は、

黄線は無かった。

と否認。

で、私も自分の現認が間違っている可能性があるので、違反場所を再度確認しに行きました。

結果、黄色実線はあるにはあるけど、かなり削られて薄くなっていました

確かに普段気をつけて運転している私なら気付きますが、初めてこの道を通った運転手からしたら気付かないのも無理はありません。

ですので、切符を切る事を辞めました

もしこれで切符を切っていたら間違いなく不成立です。

横断歩行者妨害

このケースに関してはニュースにもなっていました。
横断歩道を渡ろうとしていた歩行者が、

お先にどうぞ

と言って先に譲るケースです。

私が見た動画だと、警察官は切符を切っていました。

実は私も同じ状況に遭遇しましたが、切符は切りませんでした。

確かに、道交法上歩行者が譲ったとしても車は通過すべきではありません。

しかし一般常識的に考えて、歩行者が譲ってくれたらそりゃ行きます。

この状況で切符を切ってしまう警察官は、恐らく交通安全の為に切符を切っているのではありません。

点数稼ぎの為に切符を切っています

だって、これで切符を切ったところで何の意味もないじゃ無いですか。

なので、私は同じ状況に遭遇した際こんな違反を切っても意味が無いと思ったので、指導にしました。

「見逃してくれ」は絶対見逃さない。

ゴネる違反者の中には、

俺はずっとゴールドだったから今回だけは見逃してくれ
次は気を付けるから
もっと悪い奴を取り締まれよ

と言い訳をしてくる人がいます。

こういう違反者に対しては、手間が掛かろうが絶対見逃しません

否認事件として処理します。

何故かと言うと、警察官の現認が完璧で違反者も自認しているからです。

この場合、指導で済ませる理由がありません。

ましてや、「見逃してくれ」と言われて見逃す馬鹿はいません。

実際私も高齢男性から、

今までゴールドで安全運転していたんだから、こんな事で切符を切るな

と言われた事があります。

その言い訳を聞いて私はめちゃくちゃ腹が立ちました。

恐らくですけどこのクソジジイは、今まで違反したけど偶然警察官がいなかっただけです。

ちなみに違反は一時停止違反で、ノンストップでした。

こんな危険な運転をしているのにも関わらず、反省の弁を述べる事無く命乞いしてくる奴を見逃す訳ありません。

ですので私は、

今までゴールドとか関係ありません。
何があろうと切符は切ります。
否認でやるならやりますがどうしますか?

と回答しました。

結局、ジジイは渋々ながら免許証を提示し、切符を切ってやりました。

まとめ

今回は、警察官が違反を見逃すケースについてご紹介しました。

見逃す訳では無いですが、様々な要因から指導で済ませる事はあります

ただ、「見逃してほしい」と懇求してくる奴に対して見逃す事はありません。

あくまで、警察官にも落ち度がある場合に限り指導で済ませます。

逆に言えば、警察官が100%正しい訳でもありません。

同じ人間ですので、見間違える事だってあります。

先ほど説明した通り、歩行者が譲っているのに切符を切るアホもいますから。

ですので、もし今後切符を切られそうになった時、明らかに自分が悪い場合は素直に応じてください。

反対に、警察官の現認がめちゃくちゃだったら否認する勇気も必要です。

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この記事を書いた人

元警察官。警察組織の内情や、
理不尽な労働環境で消耗しないための考え方を発信しています。

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