今回は、皆さん大好き警察犬についてお話しします。
恐らく皆さんは警察犬に対して、
「犯人を制圧してかっこいい」
「行方不明者の捜索で役立っている」
というイメージを持たれていると思います。
私も認知症高齢者の行方不明事案で警察犬と捜索を共にした事があります。
そこで私が警察犬に対して抱いた感情は、
「こいつマジで使えねえじゃん。」
です。
結局、行方不明者は発見されましたが、警察犬の功績なんかでは無く警察官が発見しました。
当時の状況について詳しく解説します。
行方不明の状況
当時、私は比較的田舎の交番に勤務していました。
今でも覚えていますが、丁度今くらいの初夏の事でした。
雨降りの夜でしたので、私は相勤の巡査部長と一緒に交番で休憩していました。
すると、交番に40代位の女性が現れ、
「認知症の母が帰ってきません。」
と私達に説明し、行方不明事案として受理しました。
ちなみに、幼い子供とか今回のような認知症の行方不明事案は、緊急性が高いとして「特異行方不明者」として取り扱います。
普通の家出とかと何が違うのかと言うと、特異家出人の方が早期発見を命じられます。
早く見つけてあげないと犯罪に巻き込まれたり死んでしまう可能性があるので。
という事で、私は行方不明届を受理し、捜索に当たりました。
所持金ゼロ、携帯無し
行方不明になった高齢者は、金も携帯も何も持たずに散歩に行ったまま帰って来ていないとの事で、どこにいるのか検討も付きませんでした。
勤務員総動員で暫く捜索しても中々発見されず、不謹慎ではありますが
「転落して亡くなっているかもしれない」
と、捜索中の警察官は誰でも思った筈です。
まだ、携帯電話を所持していれば電源が切れた状態であってもキャリアによっては大まかな位置情報は特定する事ができます。
また、所持金があれば最寄りの電車やバスの防犯カメラ等を確認して発見に繋がる情報を得る可能性がありますし、実際行方不明者の発見に繋がったケースもあります。
しかし、今回の行方不明者は両方とも持っていなかったので、この先も難航する事が予想されていたのです。
最終奥義、警察犬出動
このように、捜索が難航している状況を見兼ねて、幹部はある決断をしました、
それが、警察犬出動です。
当時、私は警察犬と一緒に捜索した事も、見た事も無かったです。
ですので、警察犬の実力がどの位なのか楽しみでした。
そして、民間嘱託の警察犬とヨボヨボの爺ちゃんが現場に到着し、行方不明者が着ていた衣類の匂いを嗅いだのち、行方不明者の自宅を出発地として捜索を開始することになりました。
え、、どこ行くの?
警察犬による捜索が開始し、地面をクンクン嗅ぎながら黙々と進んでいきました。
犬が一生懸命仕事をしている姿は正直可愛かったです。
そして、私たちは足を進める警察犬の後ろを着いていくのですが、中々足が止まりません。
警察犬のトレーナーさんが度々行方不明者の衣類の匂いを嗅がせるのですが、どうもピンと来ていない様子です。
そしてついに、警察犬が足を止め、「ここだよ!!」と言わんばかりに顔を上げ、トレーナーに目線を配りました。
何とそこは、セブンイレブンの駐車場です。

一応、店内を確認しましたが行方不明者はいませんでした。
その後も、行方不明者の匂いを嗅がせては歩かせ、顔を見上げたと思ったら全く的外れな状況が続きました。
行方不明者発見
ついに、行方不明者が発見されました。
発見者は警察犬では無く、他の警察官でした。
しかも、警察犬が一度も通らなかった場所に座り込んでいた状況を確保していました。
それでも、警察犬は要請があって出動している訳ですから、その分の報酬は発生します。
以降も警察犬は出動したけど、、。
説明した現場以外にも、特異行方不明者の捜索で警察犬が出動する機会はありました。
たまたまかもしれませんが、私がその現場を対応している時に、警察犬の功績で行方不明者が発見される事はありませんでした。
警察犬に対して抱いている感情は、私だけで無く他の警察官も一緒です。
一応嘱託している訳だから、出動要請せざるを得ないのが実情だと思います。
現に、警察犬が行方不明者を発見したケースはニュースでもごく稀に報道されます。
それはその犬が優秀なだけであって、ほとんどの警察犬は使い物になりません。
こんな事言ったら批判を喰らうかもしれないですけど、ハッキリ言って税金の無駄だと思います。
そんな物に税金を使うくらいだったら、認知症患者全員に位置情報発信機を配布した方が根本的な解決になると私は思います。
まとめ
今回は、「警察犬は使えない」と私が思う理由を、当時の状況と共に解説しました。
確かに、犬の嗅覚は人間の3000倍から10000倍と言われており、運が良ければ役立つ事もあります。
しかし、私の経験上一度もそんな事はありませんでした。
あれこそ税金の無駄遣いだと思います。
こちらの記事では、私が現職時代に死を感じた瞬間を紹介していますので、興味があればご覧ください。


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