京都府警の警察学校で、柔道の訓練中だった女性巡査が頭を強打して殉職する事故が発生しました。
私も警察学校時代は柔道と剣道が選べる中で、柔道を選択し10ヶ月間訓練しました。
勿論今までの人生で柔道なんて全くやった事の無い初心者でしたし、周りの同期生の9割は初心者です。
ほぼ初心者だらけの環境で行う柔道は、めちゃくちゃ危険です。
私自身、常に身体のどこかを怪我した状態で毎日訓練していました。
はっきり言って死人が出てもおかしくありません。
そこで今回は、警察学校で行う柔道訓練がどれほど危ないものなのか、実体験を元に解説します。
正直、柔道なんてやるべきじゃない。
今回京都府警警察学校で起きた殉職事故は、なるべくして起きています。
それ程、死に至る危険性を秘めているのが、警察学校の柔道訓練。
実は、柔道訓練中に後遺症が残る程の大怪我をするのって珍しくありません。
その度に「二度と無いよう対策します。」と県警は報道発表するのですが、どうしても競技の性質上防ぎきれない部分はあります。
私が思うに、こういう事故が発生する理由は4つあります。
皆んな受け身が下手すぎる。

柔道で一番大事なのって人をぶん投げる以前に、投げられても怪我しないように受け身が出来る事です。
これが出来ていないと話になりません。
訓練の初期段階で一通り受け身の練習は一応やります。
やりますけど、乱取りで実際投げられた時に使えるかどうかは別です。
有段者は相手が怪我しない投げ方を知っているので、受け身が下手くそでも怪我しません。
実際、私は有段者と乱取りして怪我した事は一度もありません。
しかし、初心者同士でやる時は別です。
両方とも始めた時期が同じだけあって、お互い投げられたくないです。
本来なら怪我しない為に自ら受け身を取って衝撃を逃すべきです。
でも初心者同士で乱取りをすると、受け身を取る事よりも投げられない事に意識が向いてしまいます。
そうすると、腕がとんでもない方向に曲がったり頭から垂直落下する事があります。
受け身を取る事よりも投げられないように堪えて怪我をした同期生は沢山いました。
周りが見えていない

これは柔道というか格闘技あるあるなのですが、初心者は目の前の敵しか見えておらず、周りの事なんて見えていません。
そうなると、乱取り中に他のペアと接触事故が発生します。
これが何故危険かと言うと、意識外から来る攻撃は怪我に繋がりやすいからです。
私空手習っていたので空手に例えると、見える打撃は喰らっても効きません。
反対に、カウンターで見えていない打撃を喰らうとめちゃくちゃ効きます。
体が反応出来ていないからです。
それと同じ状況が初心者同士の乱取りでは起きます。
実際、接触事故は多かったです。
タイミングが合ってしまったら大事故に繋がりかねません。
ヘッドキャップがしょぼすぎる。
一応、警察学校で柔道の訓練をする際に初心者はヘッドキャップと呼ばれる物を被ります。
これと全く同じです。
一見頑丈そうに見えますが、そんな事ありません。
分厚さもそんなにないので、頭を強打したら普通に脳震盪を起こします。
確かに、着けないより着けた方が怪我のリスクは高まるかもしれません。
しかし、私が警察学校時代これを着けて練習をしていた感想は、ただの邪魔です。
めちゃくちゃ暑いくせに、全然守れていないからです。
練習なのに熱くなりすぎる
柔道は格闘技ですので、多少熱が入ってしまうのは仕方ありません。
でも、初心者の場合熱くなった結果怪我します。
何故かと言うと、柔道では無く喧嘩になってしまうから。
長年柔道やっていた人なら、乱取り中熱くなったって怪我をさせるような投げ方はしません。
中には意地悪な人もいますけど。
初心者同士の乱取りはほぼ喧嘩みたいになって、最終的にどっちかが怪我します。
特に怪我のリスクが高い柔道でヒートアップしてしまうのは本当に危険です。
とは言っても、柔道は現場で使える
ここまで警察学校の柔道訓練がどれだけ危険かをお伝えしました。
とは言っても、危険を伴いながらも10ヶ月間めちゃくちゃ訓練したおかげで、一線に出た時現場でめちゃくちゃ使えます。
そこで、どんな場面で柔道が使えたのかご紹介します。
暴れる被疑者の逮捕
今の時代様々なSNSで警察官の逮捕動画が見られます。
その制圧方法の殆どは柔道技です。
実際、私も現場で暴れる被疑者を逮捕する際、柔道技を使う事は何回もありました。
特に記憶に覚えているのは、傷害事件の被疑者を逮捕した時です。
状況としては、上司が部下を叱責する際に手が出てしまって怪我を負わせた事件です。
両当事者から事情聴取をした結果、上司である被疑者を現行犯逮捕する事になりました。
それで私が逮捕する旨を被疑者に伝えた所、急に暴れ出して逮捕を拒みました。
私にまで手を出してきたので、被疑者の襟と袖を持って払い腰でぶん投げた後、逮捕しました。
この時ばかりは、今までやってきた柔道が生きたと思います。
警察官が被疑者なり泥酔者を制圧する上で一番求められる事は、
「必要最小限度の実力行使」
です。
その点、相手に致命的なダメージを与えずに制圧できる柔道は確かに必要だと感じました。
ブラジル人の喧嘩

ブラジル系の人って日本人と骨格からしてハンデがあります。
高校生でもめちゃくちゃデカいです。
そんな最強遺伝子を持ったブラジル人であっても必要があれば制圧しなければなりません。
その状況に実際私は遭遇しました。
ブラジル人って良く仲間内でBBQをするのですが、そこで酒も入っている中乱闘騒ぎがありました。
その乱闘を目撃した人が110番通報して、私と当時の相勤者が現場に臨場しました。
そしたら通報通り、ゴリゴリのブラジル人同士(全員で10人位)が掴み合いの喧嘩をしていました。
黙認している訳にもいかないので、私たちは仲裁に入りました。
すると、標的が私達になって今度は私達の胸ぐらを掴んで押し倒そうとしてきました。
流石に身の危険を感じたので、私は即座に応援を呼びました。
ただ、その間にもブラジル人は私たちをぶん投げようとしていたので、なんとか応援が来るまで持ち堪えました。
もし、柔道やっていなかったら簡単に投げられてボコボコにされていたと思います。
応援要請してからすぐに仲間の警察官た助けに来てくれたのでなんとかその場は治りました。
結局、ブラジル人達は酒が入っていたので公妨じゃ無くて泥酔者として保護しました。
その上で、怪我するのは仕方ない
警察学校でやる柔道は確かに危険です。
実際、京都府警で殉職事故もありました。
その上で私が思うのは、多少の怪我は仕方ありません。
だって格闘技ですから。
警察学校で柔道をやる1番の理由は被疑者を制圧する為ではありません。
市民から襲われた時に自分の身を守る為です。
その為には、ある程度強度の強い訓練は必要です。
どれだけ対策したって結局は格闘技に怪我は付きものです。
怪我の対策に重きを置いていたら、到底現場で使えるほどの技術は身に付きません。
私も小学生の時から空手やっていましたが、続けていたらやっぱり怪我します。
肋骨や指なんて何回骨折したかわかりません。
でも、空手と柔道をやっていたお陰で私は現場で被疑者にビビる事はありませんでしたし、制圧しなければいけない状況では率先して自分から取り押さえる事ができました。
なので、ある程度のリスクはやむを得ないと思います。
まとめ
今回は、警察学校で行う柔道訓練の危険性について実体験を元に解説しました。
警察組織で最大の不祥事と呼ばれているのは、警察官の殉職です。
それが柔道訓練中に起きてしまった点については可能な限り改善していかなければなりません。
しかし、格闘技をやる上で怪我は付きものです。
趣味の範囲でやる位なら、安全第一でやるべきです。
警察が柔道をやる目的は、自分よりの力の強い人間を制圧する為です。。
この目的と対策は本当に難しくて、今後の課題になると思います。


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