取締りで否認した事ある人ならわかると思いますが、警察官は現場で違反者にドライブレコーダーを見せる事は出来ません。
その理由は後で説明しますが、全国警察の取り決めで違反者には見せてはいけないと決まっているからです。
勿論、私も違反者から
「ドライブレコーダーを見せてくれたら納得する」
と言われた事がありましたが、ルールはルールですので見せる事は出来ませんでした。
そこで今回は、警察官が取締りでドライブレコーダーを見せない理由と切符を切る警察官の本音を元警察官の私が解説します。
警察がドラレコを見せない理由
警察官が取締り中にドライブレコーダーを見せない最大の理由は、
ドライブレコーダーを犯罪の証拠収集の為に設置してないから
です。
どういう事か詳しく解説していきます。
ドラレコは証拠目的で設置していない
前提として、警察官の交通違反取締りの根拠となるのは現認です。
違反の客観的証拠としてドライブレコーダーを備え付けている訳ではありません。
速度取り締まりを行うオービスは、法定速度以上の速度違反をしている違反車両を録画し、その映像と当時のスピードを記録したものが犯罪証拠になります。
何故警察官の現認が無いオービスが証拠になるのかというと、点検によって確実性が担保されているからです。
だからこそ、現認が無くとも違反をしたと自信を持って言えるのです。
更に、オービスの場合は犯罪捜査の為に常時撮影している事を看板で知らせています。

これは、肖像権への配慮の為です。
犯罪証拠収集の為勝手に録画する事自体は認められていますが、違反者のプライバシーに配慮して設置されています。
このように、警察は違反者であろうとプライバシーを侵害しない為に最大限配慮しています。
そんな中、警察官の現認で成り立っている交通違反取締りで、犯罪の証拠収集の為に設置している訳ではないドライブレコーダーを、
「お前が違反した証拠を丁度パトカーのドラレコが録画しているから見せてやるわ」
と言って見せる訳にはいきません。
もしそれをやるんだったら、オービスと同じように告知をしなければいけない事になります。
そんな事やってられないので、警察官は違反者にドラレコを見せる事が出来ないのです。
取締まる警察官の本音
パトカーに設置してあるドライブレコーダーを違反者に見せられない理由を説明しましたが、取締る側の警察官はぶっちゃけ見せてやりたいです。
何故かというと、その方が納得して貰えるからです。
恐らくですけど、ドラレコ見せてくれれば納得する違反者は結構います。
頑なに見せないから違反者も意地になって納得しない状況が多いです。
ここで実際にあったシチュエーションをご紹介します。
踏切一時不停止の違反者
当時、私は管区機動隊という隊に所属しており、訓練や出動が無い時は警察署でパトカー勤務をしていました。
勿論切符をノルマがあるので、頻繁に取締りを行っていました。
ある日、私は40代巡査長といつもの狩場で踏切違反の監視をしていました。
暫くすると、軽自動車(種類とか忘れた)がノンストップで踏切を通過したので、近くのコンビニ駐車場に違反車両を停止させました。
私は違反者に踏切一時不停止である事を告げたところ、
「俺は間違いなく止まった」
と言い切り、アホみたいに否認しました。
そうなると、止まった止まってないの言い合いになります。
言い合いの最中、違反者は
「ドラレコに写っていたら納得するし、切符切って良いから見せてくれ」
と提案をしました。
でも私達は見せる事が出来ないのでそれを断ったところ、
「なら刑事事件で良い」
と、結局否認事件として取り扱う事になりました。
正直否認事件は普通に切符を切るより仕事量が増えるし時間も奪われるので、出来れば避けたいです。
本音を言えば、違反者にドラレコを見せて納得してもらった方が早いですし、「バレなければいいか」と思う事もありました。
でも「あの警察官は見せてくれた」と名指しで暴露されたら処分を喰らうのでそれは出来ません。
なので、違反者にドラレコを見せて良い法律が出来れば仕事楽になるのになーと当時は思っていました。
まとめ
今回は、何故取締りでドライブレコーダーを見せてくれないのかについて、その理由を解説しました。
要は、そういう目的で設置している訳ではないし、そもそも取締りは警察官の現認が最強なので見せる事が出来ないのです。
取締る側の警察官からしたら、見せれば納得して貰えるのに歯痒いです。
でも、決まり事なので仕方ありません。

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